メタ(旧フェイスブック)のメタバースは医療に革命を起こすか

Photo by Kelly Sullivan/Getty Images for Facebook

フェイスブックがひとつの時代を定義する現象になったことは、疑いようもない事実だ。フェイスブックは、世界中の人々が考えるコミュニケーションや、人との結びつき、情報収集、eコマース、社会的な交流の概念をがらりと変えた。純粋なソーシャルメディア・ネットワークとして出発したフェイスブックは、それを超えるものへと進化した。つまり、人々が交流する在り方を表す文化的象徴であり、地域社会や国全体で起こっている動きを把握できる場でもある。共通の興味を持つ人たちを見つけてつながり合うこともできる。

フェイスブックは2021年10月28日付け(米国時間)で、社名を「メタ(Meta)」に変更し、メタバースという仮想空間の構築に力を入れていくと発表した。同社プレスリリースによれば、メタバースは、人と人との結びつきを促したいという同社の幅広いビジョンと、社会的な交流を再定義する最新・最先端のテクノロジーを融合したものだ。

このメタバースによって、社会的交流やゲーミング、学習がどう変化していくかが大きな注目を集めている。しかし、メタバースが革命を起こしうる巨大な業界がもうひとつある。医療だ。

同社は、メタバースについてこう説明している。「メタバースは、物理的な世界ではできないことも実現が可能になる、相互に接続されたデジタル空間です。メタバースの特長として重要なのは『ソーシャルプレゼンス』、つまり、実際に世界のどこにいようとも他の人と一緒にいるような感覚、を得ることができることです」

こうした世界は、医療やヘルスケアにとって大きな可能性につながるかもしれない。メタバースは、これまでにない多様な医療サービスの可能性に道を開くだろう。遠隔医療やバーチャル診療、遠くにいる患者のケアやモニタリング、データに基づいた医療などだ。とりわけ、オンライン診療が2次元から3次元の体験へと向上すれば、時代を変える革命となるかもしれない。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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