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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

三菱アウトランダー PHEV

先代は欧州では、物凄い人気があった。2012年にデビューして以来、なんと欧州での販売台数は20万台を突破して、世界一売れたプラグイン・ハイブリッド車としての記録を獲得した。日本でも、画期的な車両としてそこそこ売れた。

しかし、この新型車。何だこれは? 三菱らしくないじゃないか!外観は、先代アウトランダーよりフロントに迫力と個性が加えられたかもしれないけど、室内はまるで違う次元で創造されたみたいだ。とにかく、今までのアウトランダーPHEVとは全然違う。その違いとは、「品があって、すごく良い」を意味している。三菱に何が起きた?

今でも良く覚えているけど、ほぼ10年前に初代アウトランダーに乗った時は、10年先、つまり2020年にタイムスリップした気分だった。その頃、電気自動車はまだ普及していなかったし、PHEV車もごくわずかだった。だから、できる限り貯めた電気で走ろうと努力するアウトランダーPHEVを偉いと思ったんだ。電気を使い切ったら、内蔵されたガソリンエンジンで再び電力を作ってバッテリーに蓄える。これが未来の形なのか、と感心した。

大型SUVでありながらも、そのPHEVのパワートレーンは満タンで800km以上の航続距離を誇っていた。しかも、走りは滑らかだったし、アクセルを踏めば、EVと同様のラグなしの素早い加速性の持ち主なので、即座に加速した。また、地震などの災害時の際、100Vのコンセントが付いていたので、どの場所へでも「動く電力車両」としてのメリットもあって、その実績に感心した。ただ、デザインはゴツく、保守的だったし、内装は地味でプラスチッキーな印象が強かった。つまり、当時のアウトランダーPHEVは技術的には10年先を行っているのに対して、デザインや質感は10年以上遅れている感じだった。

後ろから見たアウトランダー

さて、PHEVが当たり前となった時代に、この新しい2代目アウトランダーPHEV(注:アウトランダーは4代目になるが、PHEV仕様は2代目)はどれだけ進化したのか。実は、期待していた以上に進化を遂げていた。デザインや走りはもちろん、冗談抜きでそのインテリアの仕上げはメルセデスベンツ並みだった。同車の発表前ということで、クローズド・コースの袖ヶ浦フォレストレースウェイで初めて乗ってみた。

2代目は、実は米国仕様の日産ローグがすでに使っているルノー・日産・三菱アライアンスで開発された新しいプラットフォームを採用している。ツインモーター4WDのプラグイン・ハイブリッドシステムは、フロントのモーター出力が81psから95psに向上しているし、リアのそれが95psから136psへとアップしている。バッテリーは13.8kWhから20kWhに増えたおかげで、EV走行可能距離は従来の57kmから87kmへとかなり延びた。ところが、車両は2,000kg以上もあるので、燃費は16.6km/リッターほどと、従来とあまり変わらない。ただしガソリンタンクの容量は45から65リッターにアップしたので、航続距離は1,000km近くなったと聞いている。

このてのPHEVを購入する人にとって重要な情報だけど、バッテリーの急速充電は約38分で80%まで回復でき、普通充電だと7時間半。またエンジン充電では1時間半で80%ほど容量を回復できる。それに、その災害時の性能も向上した。100VのAC電源(1,500W)のコンセントから電気製品が楽に使えるだけでなく、一般家庭への電力供給が10日から12日に伸びた。

走行中のアウトランダー

文=ピーターライオン

三菱自動車
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