自動運転「オーロラ」が上場、物流のロボット化競争がさらに加熱

(c) Aurora

自動運転テクノロジーを開発する米国のスタートアップ「オーロラ(Aurora)」が11月4日、ナスダックに上場した。物流トラックや配送車両を自動運転化する同社のテクノロジーは、米国のトラックドライバー不足を解消することが期待されている。

グーグルの自動運転車プロジェクトの元責任者のクリス・アームソンらが設立したオーロラは、シリコンバレーの投資家のリード・ホフマンやジンガの創業者のマーク・ピンカス、マイケル・トンプソンが設立したSPAC(特別買収目的会社)の「Reinvent Technology Partners Y」との合併によって、上場を果たした。シリコンバレーとピッツバーグに拠点を置く同社の株価は、3.1%安の9.60ドルで初日の取引を終えた。

「ドライバー不足は何十年も前からの問題であり、今後もさらに悪化する見通しだ。この市場には、自動運転テクノロジーが大きな役割を果たす素晴らしい機会がある」と、オーロラのCEOのアームソンは述べている。

オーロラは、ボルボやトラックメーカーのPACCARと自動運転トラックの提携を結び、トヨタやウーバーとは、ロボットタクシーのプロジェクトを進めている。自動運転分野では、サンディエゴ本拠のロボットトラックに特化したTuSimpleが、4月に上場を果たし、サンフランシスコのロボットトラック開発企業Embarkも今月、上場を予定している。

これらの3社は、アルファベット傘下のウェイモやKodiak、Waabiなどのスタートアップと共に、8000億ドル規模の米国のトラック輸送の自動運転化を目指している。

アームソンが元テスラのスターリング・アンダーソンや、元ウーバーのコンピューター科学者のドリュー・バグネルらと2017年に設立したオーロラは、2020年12月にウーバーの自動運転車部門ATGを買収し、ウーバー側もオーロラに出資を行い、提携関係を築いている。

オーロラの主な出資元としては、ウーバー、トヨタ、PACCAR、ボルボ、Reinvent Capitalのほか、ベイリー・ギフォード、フィデリティ、T・ロウ・プライス、モルガン・スタンレー、セコイア・キャピタルなどが名を連ねている。

オーロラは当初、乗用車やロボットタクシー向けの自動運転テクノロジーに注力していたが、昨年からトラック輸送にシフトし、テキサス州に自動運転セミトレーラーのデポを開設し、2023年までの商業化を目指している。同社は、2025年に1億2300万ドルの売上をあげ、2027年には最大20億ドルを目指すと述べている。
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編集=上田裕資

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