個人の権利を「隣人」が規制
SB-8については、裁判所がこれを支持した場合、テキサス以外の各州の議会が、銃や同性婚など中絶以外の問題について、一般市民に規制させることを可能にする法案の成立を目指すようになる可能性があると懸念されている。
中絶の禁止を目指す州法はこれまで、裁判によって施行が阻止されてきた。だが、SB-8は一般市民が中絶を支援した人を訴え、法を執行する形になっていることから、司法による審査が困難になっている。
家族計画を提唱するオハイオ州のPlanned Parenthood Advocates of Ohioの幹部は声明で、「中絶が禁止されることは、オハイオ州のコミュニティー全体にとっての惨事だ」と述べ、「議員や中絶に反対して私的制裁を加える人たちに、隣人個人の医療上の決定を下す権利はない」と訴えている。