世界で最も稼いでいるアスリートTOP20

Forbes JAPAN編集部

米フォーブスが発表した世界のアスリート長者番付の上位50人の年収総額は、約28億ドル。昨年から16%増え、過去最高を記録した。

コロナ禍においても収入が伸びた要因は、フィールドやコートの外にある。選手が本業の競技以外で得た収入は計10億ドル強で、収入全体に占める割合としては過去最大となったのだ。

例えばNBAでは2020/21シーズン、各選手の給料削減に踏み切ったにもかかわらず、選手の平均収入はアップしている。これは選手が年俸だけでなく、エンドースメント契約(特定の企業との商品にかかわる契約)によって多くの稼ぎを得たためである。パンデミックは、選手の収入構造にも変化を及ぼしたのである。

アスリートの新しい稼ぎ方を象徴する存在が、総合格闘家のコナー・マクレガーだ。リングでの活躍に加え、自ら立ち上げたウイスキー会社の過半数の株式を売却して手にした「ビジネス収入」で、ランキング首位に立った。

一方、女性アスリートでは、うつ告白で物議を醸したテニスプレイヤーの大坂なおみがトップ(全体では12位)で、昨年の29位から躍進した。ただ、トップ50にランク入りした女性はわずか2人で、同じくテニス選手のセリーナ・ウィリアムズ(全体28位)のみ。プロスポーツ界における男女収入格差を如実に示す結果となった。

算出方法


米フォーブスが業界関係者の協力のもと、2020年5月1日から1年間の収入を追跡し、作成した。収入金額は50万ドル未満を切り捨て、競技外での収入が100万ドル以下の場合、50万ドルと表記している。競技収入は、賞金、給料、ボーナス( 勝利給、ゴール給など)を含め計算。NBAや欧州サッカーのように、通常5月までにシーズンが終了するが5月以降も給料を受け取り続ける場合は、フルシーズン分を含めている。

今回計算したNBAの給料額は、パンデミックによる調整で選手の基本給を20%カットしたもので、「2020 NBAバブル」(20年6月に市中から隔離のうえ再開されたシーズン)の給料とボーナスは含まれていない。競技外での収入については、5月1日までの12カ月間のスポンサー契約、出演料、ライセンス収入に加え、アスリート自身が運営している事業からの収入を推定したもの。利息や配当金などの投資収入は含めず、アスリートが売却した株式からの収入のみ考慮した。また、税金やエージェントの手数料などは控除していない。日本円へは1ドル110円で換算。
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文=フォーブス ジャパン編集部、杉山大祐、鬼頭佳代(ノオト)

この記事は 「Forbes JAPAN No.085 2021年9月号(2021/7/26発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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