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2021.11.09

いかに待たずに外食するか。米飲食の「ウェイティングシステム」が進化

Getty Images

コロナ禍をきっかけに、飲食分野の技術革新とその実装が進んでいる。それらのなかには、コロナ後の「ニューノーマル」の時代にも生き続けそうなものが少なくないようだ。日本発の技術、「QRコード」を使った非接触型のオーダーや支払いの習慣も、おそらくそのひとつになっていくだろう。

だが今、人気店を中心に、そもそも「オーダーのために行列する」こと自体を回避するテクノロジーも発達している。たとえば米国では、基本的に「予約不可」をポリシーとする店舗で、ウェブ内でウェイティングリストをサービスとして提供するケースが増えているのだ。

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ラスベガスのリゾートも


12以上の超人気リゾート施設と数百のレストランを運営するラスベガスの「MGM Resorts」もそうだ。同リゾートでは、客が店のドア近くで群れたり行列したりする代わりに、好きな場所で順番を待てる技術を開発した。デジタルのウェイティングリストに登録すると、席が用意できた際に店からテキストで通知が送られる仕組みだ。


デジタルウェイティングリストがあれば……(Getty Images)

全米8州に展開する朝食チェーンの「Snooze, an A.M. Eatery」も非予約制のスタイルだが、ここでもまたコロナ禍をきっかけに、席の用意ができたタイミングでグループの代表者に通知が来るオンラインのウェイティングリストを、携帯アプリとしてリリースした。もちろん、非接触型の会計システムとして、QRコードの入ったメニューと、テーブルから遠隔で支払える機能を実装している。

席を確保して、テキストメッセージを待つ


ミネソタ州ミネアポリス郊外のファストフード・フランチャイズで、米国全土に展開予定という「Stalk & Spade」も同様で、まず席を確保し、料理ができるとテキストメッセージが送られるシステムを採用している。このシステムによって客は、オーダーした後でカウンター前に行列して名前を呼ばれるのを待つ必要がなくなり、好評を得ているという。

店内で並ばずに店外でピックアップするテイクアウト方式──。コロナ禍の飲食業界で発達したシステムや既存テクノロジーは、「ニューノーマル」の世界でも確実に生き残り続けるにちがいない。

文=石井節子

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