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性別「X」のパスポートを勝ち取ったデーナ・ジム(C)AP Photo

性的特徴があいまいな体で生まれたデーナ・ジムは、自分を男性とも女性とも考えていない。ジムはこのほど、性別欄に「男」でも「女」でもなく「X」と記載されたパスポート(旅券)を米国で初めて発給された人物となった。

性分化疾患のある人を指す「インターセックス」の活動家であるジムは、米国務省がパスポートの性別を男女に限定することによって、申請者に虚偽の申告を強いているとして、訴訟を起こした。その結果、今年10月27日、米国で初めて性別欄が「男」でも「女」でもないパスポートを受け取った。

トランスジェンダーの人々の権利に反対する人の多くは、人の性別は生物学的な性で決定されるべきだと主張している。コメディアンのデイヴ・シャペルは最近、ネットフリックスの番組で「性別は事実だ」と発言して非難を浴びた。また、子どものスポーツは生物学上の性別で分けるべきだと主張する人たちは、全ての人が生物学的に男女のいずれかに属すると思い込んでいる。だが実際の生物学的性別は複雑なものであり、男女のどちらにもぴたりと当てはまらない人は多く存在する。今年の東京五輪でも、選手が女性として参加資格を得る基準についての議論が起きた。

ジムの場合、生まれたときから性器の性別があいまいで、医師は外見だけで性別を判断できなかった。しばらくして、両親と医師はジムを男の子として育てることを決めた。裁判所に提出された文書には、次のように記されている。

「デーナは自分がインターセックスであることを隠され、『ブライアン・オリン・ホイットニー』の名前を与えられて、出生証明書にも『男』と記載された。多くのインターセックスの子どもと同様、5歳になるまでに、性別を男女のステレオタイプに合わせるため、不可逆的かつ侵襲的で、苦痛を伴い、医学的に必要のない手術を複数回受けた」

ジムは大人になってから、自分はインターセックスであることを知り、心の性が男性ではないと認識した。一度は女性として生きようとしたが、それにもまた違和感を持った。自分はインターセックスであるため、パスポートの申請時に「男」か「女」のどちらかを申告するのはうそになると感じたのだ。

編集=遠藤宗生

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