薬としての研究が進んでいるCBDは、どのように身体に関わるのか、現在考えられている作用機序をざっくりと説明します。
まず、人間を含む哺乳類にはカンナビノイドを受容して作用するエンドカンナビノイドシステムがあることがわかっています。実は身体の中では内因性カンナビノイドが常時生成されているのです。カンナビノイドは神経伝達物質の伝達経路に関わっており、過剰な神経伝達を抑えています。これらのカンナビノイドを含め、様々なホルモンとのバランスによって、身体は正常な状態に保たれているのです。
CBDを含むカンナビノイドに関するビジネスは、欧米では非常に大きな可能性を秘めたビジネスとして、ライフスタイル、ヘルスケア分野で大きく躍進しています。特に一般的な嗜好品として、化粧品、飲食品、雑貨(ベイプなど)、ペット用品などで取り扱われています。
ただし、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、医薬品以外のCBDについては、様々な理由から正式なサプリメント等として認めてはいません。まだ全州での考え方、連邦としての考え方がまとまっていないため全米としてのルールができていないのが現状なのです。
市場の大きさとしては、世界中で大麻も含めた市場は2020年には約1兆円程度とされています。アメリカでは、THCや大麻を除いたCBDのみの市場だけで2020年に3000億円程度とされています。
CBDは日本でキテいるのか?
日本においても、弊社が事務所を構える渋谷ではCBDはすでに一般化している印象を受けます。弊社は、渋谷で複数店舗を展開する「宇田川カフェ」と連携してCBDビール・CBDべイプ・CBDオイルを販売していますが、それ以外にもCBD専門店やCBDカフェもあります。渋谷に限らず、数年前と比較してCBD市場は大きく拡大していると感じます。
ヤフーショッピングや楽天市場などで「CBD」と検索すると沢山のCBD製品を散見することができます。日本のCBD市場は数年前までは10億円規模の市場でしたが、現在は昨年比でおよそ200%の市場成長率と言われ、今年は約100億円規模になると見込まれています。来年は上場している大企業も参入すると予想されます。またCBDを扱うスタートアップ企業も日本では複数あり、VCやCVCも投資熱の高まりを感じます。
市場が大きく伸びている理由としては、コロナ禍でテレワークなどが多くなりストレスを抱える方が増えたこと、アメリカの市場拡大を機に日本でもビジネスになると考えたプレイヤーが増えたこと、ポップアップなどで百貨店他への出店が増え、ドン・キホーテやコスメキッチンなどの店で取り扱われ、認知されたことが主な理由だと考えます。