一限目でも欠席なし。阪大・伝説の恋愛講義「冒頭10分の秘密」とは

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理学部女子、理想のパートナーは、私に合わしてくれる人です。あー、これね、実はそれ、ちょっと危ない考えの一歩かもしれんよ。

相手にも時間は限られている中、自分が行きたいところだけデートで行こうとしたり、自分の都合だけを考えたりするのは、人をコントロールをしているということに繋がるかもしれんよ。これって大袈裟に聞こえるかもしれへんけど、誰かをコントロールしようとするのは支配のはじまりだから、ドメスティックバイオレンスの始まりでもあるねんよ。はい、次。

経済学部女子、理想の恋人像、パートナー像のあとに、面白いこと書いてるわ。私が阪大に入学したのは、結婚相手を見つけるためですやって。いいねー、ここまでしたたかに言い切れる潔さ、好きやわ! がんばって。はい、ほな今朝のラストいこか。

文学部女子、理想の恋人像とパートナー像は、私が働くことを認めてくれる人とお付き合いをしたいです。ん?

なんであなたが働くことを、恋人やパートナーに「認めて」もらわなあかんの? 一生懸命勉強して、阪大に入ってきたんでしょ。

今まであなたがしてきた努力も、それが自己実現として働くことにつながるのは当たり前に受け取るべきものだし、なんなら社会的には補助金もあって大学まで出られるんやで。授業料だけで、みなさんの教育ができているわけじゃない。そういう意味では、しっかり社会に学んだこと、経験したことを還元してほしいわぁ。

ほんでそもそも、憲法14条は「法の下の平等」が書いてあって、性別による差別はしたらいけないって書いてるし、です。憲法24条は婚姻は両性の合意のみに基づいて成立するって書いてるねんよ。はい、みんな六法ひらいてみて。だとしたら、あなたが誰と付き合ってようと、誰かの許可が無いと働けないってことはないやん。

大日本帝国憲法のもとなら、女性が働くこともままならず、父や夫の許可がいったけれど、いまの日本国憲法における男女平等が定められているもとなら、働くことも認めてもらう必要なんか、そもそもないで。そんなこと、「許可したるわ」みたいなこと言う相手だったら、付き合わんほうがええとおもうわー。というわけで、今日は大日本帝国憲法に入ります。
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文=裵麗善/Ryoseon Bae 編集=石井節子

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