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2021.11.04 06:30

楽観的すぎる売上予測を示すSPACは失敗に終わる

Getty Images

SPAC(特別買収目的会社)はここ数年、株式市場の寵児となってきたが、2021年には1年のほとんどを通じて人気に翳りが見えている。

最近になってSPACに対する熱意が冷めている理由は明らかだ。合併後のSPACは、市場全般と比べて大失敗することが多いからだ。最新の研究によれば、その一因は、極度に楽観的な売上予測にあるという。SPACの成績は投資家にとって散々なものになる場合があるが、なかでも最悪の成績に陥るSPACは、アグレッシブで、結局は達成できない売上予測を提示していることが多いのだ。

売上の年平均成長率(CAGR)


SPACには、IPOに優る明らかな利点がある。1995年の民事証券訴訟改革法のおかげで、SPACの経営陣は、「将来予測に関する記述」ができるのだ。SPACのおよそ8割は、そうすることを選択している。その場合、しばしばバラ色の予測が投資家に提示される。そして、そうした予測が市場を動かしているように見える。

売上の年平均成長率(CAGR)予測が高いほど、その会社の株式は、投資家向けプレゼンテーションで高騰する傾向がある。実際、企業向けプレゼンテーションで高い売上CAGRを示すと、数日後の投資家向けプレゼンテーションの頃には、そのSPACの株式は平均10%ほど押し上げられる。だが長期的に見ると、そうした予測は概して楽観的すぎるものであり、株式はいずれ、その報いを受けて下落することが多い。

研究結果


SPACに関しては、これまで幅広い研究が実施されている。そのほとんどは、明示されない手数料の高さや、全体的に見た投資家の利益の少なさという点で、SPACに対して批判的になる傾向がある。

だが、今回行われたSPACの売上予測についての詳細な分析は、いままでにない新しいものだ。カリフォルニア大学バークレー校とニューヨーク州立大学バッファロー校の研究者らは、最新論文「Should SPAC Forecasts Be Sacked?」のなかで、SPACの売上予測について調べている。その結果、アグレッシブな売上成長予測と、合併後のSPAC業績のあいだに、ある関連性が存在することがわかった。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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