部下が求めるべきはフィードバックでなく助言 ハーバード大研究

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職場で自らフィードバックを求めることは、仕事の能力開発において不可欠だ。だが、フィードバックを求めることとパフォーマンスの関係はごく小さいことが、米ハーバード・ビジネス・スクールの研究により示された。

部下は常に指導を求めている一方で、上司は従業員が必要としているフィードバックを与えるのに苦労している。フィードバックが軽はずみだったり、受動的なものだったりした場合、部下はフィードバックを受ける意味がなくなり、自分からそれを求めなくなる。賢く、意識の高い人であれば、社内の別の人に指導を求めたり、成長の場を求めて就職活動を始めたりするだろう。

ハーバード・ビジネス・スクールの研究チームは、先行研究6件のレビューを通じてこのすれ違いについて調べ、部下がフィードバックを求める上で最も効果的な方法を明らかにした。研究チームによれば、指導を求める際の言葉の選び方によって、受けられるフィードバックの質に違いがあった。

研究チームによると、部下が「フィードバック」を求めると、それにより得られるインプットは未来志向でなく曖昧で受動的な内容になってしまうことが分かった。一方、「アドバイス」を求めた場合は、それよりも着実な改善につながる可能性が大きく高まることが、6件中4件の研究結果で示された。部下が使う言葉を変えるだけで、受け取る指導の質が大きく変わり、将来的な改善に繋がるのだ。

研究チームは、アドバイスやフィードバックを求めるプロセスは部下と上司との関係性に大きく左右されるが、部下は「フィードバック」ではなく「アドバイス」を求めることで、自分が必要とする実行可能なインプットが得られると結論している。

編集=遠藤宗生

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