亡くなった親の「生命保険加入の有無」を調べる方法。認知症の場合も有効

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制度利用の前には家族で情報共有を


生命保険契約照会制度の利用で利便性は格段に上がり、せっかく入っていた保険がムダになる事態は避けられそうだ。それでも、平時からの家族間での情報の共有が、何よりも大事だとあらためて認識したい。

というのも、生命保険契約照会制度でわかるのは、基本的には保険契約の「有無」に関する情報に限られるためだ。契約の存在が判明した場合、契約内容の確認や保険金・給付金の請求については、結局、保険金受取人や指定代理請求人など、その保険契約に基づく権利を持つ人から生命保険会社に直接連絡しないと応じてはもらえない。

そして、自分がその保険契約に関係のない立場であれば、契約内容の確認すらできないことは知っておきたい。

また、「平時」の利用の際には、個人情報保護法によって照会者の範囲や必要書類が厳格に定められているため、利用の際に、利用料3000円のほか、公的書類や医師による所定の診断書等の取得費用の負担も必要になる。

日ごろから、どんな保険に入っていて、その保険金を受け取れるのは誰なのか、そういった情報を家族がすぐにわかるようにしておくことが重要だ。

そういえば、先月見えた相談者が持参した保険証券は、全部で11枚あった。2000年以降の契約が多く、保険会社が潰れる事態を危惧して、敢えて契約先を分けて入っていることが読み取れた。

「保険に入っているという話を家族にするのは、何だかわずらわしいから嫌だ」という相談者に対し、全契約についてまとめた一覧を作成して「子どもさんにもお渡しください」と念押ししたことは言うまでもない。

連載:ニュースから見る“保険”の風
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文・図=竹下さくら

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