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2021.10.29

ふぞろいな「カプリコ」発売 「食品廃棄物95%削減へ」江崎グリコの本気

チョコ部分の気泡が大きくなりすぎたり、コーン部分が欠けてしまったりした「ジャイアントカプリコ<いちご>ふぞろい品」


製品の「売れ残り」を防ぐ仕組みも


食品廃棄物の削減においては、生産設備から出る廃棄(フードロス)だけでなく、製品の売れ残りから出る「フードウェイスト」の削減にも取り組む。製品の売れ残りが出ないように予測の精度を高めたり、製法や包材の工夫で賞味期限を延長したりする取り組みだ。

「売れ残りが出ないように、と言っても小売店の店頭で品切れにさせるわけにはいかないので、需要予測や販売計画が重要になるのです。AIの導入も検討中で、今後はさらに精度を高めていきます」

賞味期限に関しては、9月13日に「アーモンド効果TASTY」をリニューアルし、賞味期限を22日から60日に延長した。包材を変更したほか、容器に詰める際に風味の劣化の原因となる「酸化」を防ぐ製法を採用し、実現させることができた。


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9月にリニューアルした「アーモンド効果TASTY」

「食品業界には、小売店に納品する際に『賞味期間の3分の1を過ぎないように納品しなくてはいけない』という、いわゆる“3分の1ルール”がありますが、その緩和が期待されています。サプライチェーン全体で協働して見直していくことが求められますね」

現在、グループ全体で「Glicoグループ環境ビジョン2050」の具体的なアクションプランを作成する動きがあり、国内外の各拠点で取り組んでいる。食品ロスに関しては田島が指揮をとり、2030年までの残り期間で「95%削減」を目指すためには何をすべきか、各拠点でバックキャストしてKPIを設定している。

「最近は、株主の方から食品ロスに関する問い合わせを受けることも増えました。持続可能な経営のためにも、目標達成に向けて尽力したいです」

文=田中友梨

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