年末年始に待ち受ける「万物不足」問題 米国では旅行需要が激増

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旅行業界の労働力不足


航空会社は需要に対応するため、運行便を増やすだろう。しかし、全米で起きている労働力不足が問題となる可能性がある。特に、従業員へのワクチン接種義務化に関する問題が大きい。米誌ニューズウィークによると、アメリカン航空とサウスウエスト航空では、ワクチン接種の義務化に反対する従業員がストライキを行う可能性がある。

さらにブルームバーグは、操縦士が即座に職務復帰できないという問題について報じている。コロナ流行により約10万人のパイロットが職務から長期的に離れており、多くは操縦の腕が落ち、飛行中にミスをするようになった。

あらゆるものの在庫が不足


世界中で物品が不足しており、この状態は冬以降も続く可能性が高い。英国ではクリスマス前のセールが前倒しされた。米誌アトランティックは、この状況を「everything shortage(万物不足)」と呼んでいる。

アクシオスによると、旅客機の空席や予約可能なエアビーアンドビー物件は非常に少ない。レンタカーも不足していて、個人の車所有者がシェアサイトを通じてレンタカー企業と競えるほどになっている。米旅行情報サイト「ザ・ポインツ・ガイ」は、スーツケースの在庫も大きく不足していると伝えている。

あらゆるものの料金が上昇


旅行料金や関連品の価格が上がっているのも驚きではない。旅行会社ゲスティーのデータからは、クリスマスが今年最も高価な休暇シーズンになることが示されている。予約時の価格は2020年比で53%増、コロナ禍前の2019年比で80%高となっている。

クリスマスの平均宿泊料金は、2019年には1晩332ドル(約3万8000円)、2020年は392ドル(約4万5000円)だったが、今年は599ドル(約6万8000円)に増加。ゲスティーでの全米のクリスマスの予約数は2020年比で469%増加、コロナ禍前の2019年からは157%増加している。

労働力不足やサプライチェーンの問題、渡航規制の突然の変更や国内・海外旅行の繰延需要を考えると、まだ旅行の予約をしていない人は、手遅れになる前に計画を立てたほうがよい。ただ、もはや空きがなかったり、残っていても手が届く価格ではなかったりして、多くの人がストレスを感じることだろう。

編集=遠藤宗生

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