人気の株式取引アプリのロビンフッドの第3四半期決算は、ウォール街の予想を大きく下回った。売上高は前四半期の5億6500万ドルから3億6500万ドル(約415億円)に減少し、1株当たりの純損失は、アナリストの平均予想1.37ドルを上回る2.06ドルだった。
大幅な業績悪化は、ロビンフッドのプラットフォーム上の暗号通貨取引による収入が激減したことが大きな要因で、前四半期比78%減の5100万ドルにまで落ち込んだ。
ロビンフッドの業績は、年明けからゲームストップのようなミーム銘柄や、ドージコインなどの暗号通貨の乱高下によって急上昇したが、同社の最新の決算で、それらの取引活動が落ち着いてきたことが示された。
ロビンフッドのユーザーアカウントの数はわずかに減少して2240万になり、取引に関連する手数料収入も減少した。
さらに、PFOF(ペイメント・フォー・オーダー・フロー)と呼ばれる、顧客の取引データをウォール街の高速取引会社に販売することで得られる収入も、前四半期比41%減の2億6700万ドルだった。
株価の急落で、同社の共同創業者であるブラッド・テネフとバイジュ・バットの保有資産は、合計で約5億ドル減少した。フォーブスは、テネフとバットの現在の保有資産を、それぞれ22億ドルと24億ドルと試算している。
ロビンフッドのCEOのテネフは、「第3四半期は、暗号通貨の取引が記録的な高水準から脱却したため、予想した通り新規口座開設数が減少し、収益も減少した」と決算発表後に述べた。また、同社のCFOのJason Warnickは、「当社の成長には波があり、以前からボラティリティーが高まった時や市場イベントの際に急上昇してきた経緯がある。今後も、市場の状況や新たなプロダクトのリリースにより、成長の波が続くと予想する」と述べた。
ロビンフッドは、今期の同社の業績に影響を与えた要因の多くが、2021年末まで続くと予想している。取引活動の低下は今後も継続する可能性があり、第4四半期の収益に影響を与える可能性があると、同社はプレスリリースで警告した。