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2021.10.30

7年ぶりの日本人F1ドライバー 角田裕毅が明言する目標

レーシングドライバー 角田裕毅

次代を牽引する新しいリーダーを発掘し、ビジネスからサイエンス、スポーツ、アートなど多彩なジャンルから30人の才能に光をあて、その活動をForbes JAPANとしてエンカレッジしていくことを目的としている「30 UNDER 30 JAPAN」。

今年、各分野に精通した専門家や業界オーソリティ、過去受賞者で構成されるアドバイザリーボードと編集部で審査を行い、スポーツ部門の受賞者として選出されたのが、角田裕毅だ。



F1ドライバーは、現在世界で20人。今年、小林可夢偉以来、日本人としては7年ぶりにそのトップドライバーの仲間入りをしたのがイタリアのスクーデリア・アルファタウリ・ホンダに所属する角田裕毅だ。

今回、角田を推薦したIMGの日本支社代表を務める菊地広哉は、「これまでの日本人ドライバーには見られなかった、感情だけではなく、明快な論理に基づいた自己主張ができる、新しい日本人」と評した。


──F1デビューしてから得た教訓は?

言葉の重み。F2、F3を走っていたときとは、視聴者数が全然違う。感情をコントロールできずにレース中に発した言葉が世界中から批判を浴びたことで大きなプレッシャーを感じたし、てんぐになっていたことを、いまは反省をしています。自分を抑えることの重要性も、メンタルトレーナーをつけてから学びました。

──大舞台に立つ前の習慣は?

レース前はソファに寝転んで、落ち着く音楽を聴くようにしています。ヘルメットをかぶってマシンに乗り込むと、自然と気が高ぶってしまうので、あえて自身を奮い立たせるようなことはしないんです。

──最も恐れることは?

大きなミスをすること。修理に数千万円はかかるマシンの故障や、自分がけがをすることよりも、大きなミスをすることで、自分がこれまで感覚的にできていたことがリセットされてしまうことが怖いです。

──10年前の自分にアドバイスをするなら?

やることは変わりません。ただ、当時は「どうせ負けるだろう」という思いをもちながらレースに臨んでしまっていたので、「もっと自信をもて」と伝えたい。

──10年以内に実現したい目標は?

10年と言わず、早くワールドチャンピオンになる。マシンのコンディションや運にも左右されますが、3年以内には実現するつもりでレースに臨んでいます。


つのだ・ゆうき◎2000年、神奈川県生まれ。4歳でカートに乗り、国内ジュニアフォーミュラ、FIAF3・F2を経て、21年、00年代生まれとして史上初、日本人として史上最年少でF1デビュー。

Text by Mika Moriya

この記事は 「Forbes JAPAN No.088 2021年12月号(2021/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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