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Photo by Mario Tama/Getty Images

ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授とユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのアレックス・ブライソン教授が最新の研究で、米経済は2021年秋現在、すでにリセッション(景気後退)に入っているとの見方を示している。主要な消費者データの分析に基づくもので、2008年の金融危機に匹敵する深刻な不況になるおそれもあるという。

米経済をめぐってはこのところ、好調な株式市場や低い失業率などを伝えるニュースが目だつ。だが、英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員を務めた経歴をもつブランチフラワーらによれば、経済のクラッシュが差し迫っている理由がいくつかあるのだという。

彼らの論文によると、1980年代以降、米国で起きたリセッションではすべて、ミシガン大学消費者態度指数とコンファレンス・ボード消費者信頼感指数の10ポイント超の低下が前触れになっていた。2021年には、コンファレンス・ボードの指数は25.3ポイント、ミシガン大学の消費者信頼感指数は18.4ポイント下がっている。2008年の金融危機の前にも、それぞれ19ポイントと21ポイントの下落を記録していた。

ブランチフラワーとブライソンは、消費者信頼感に関する指標は一般の米国人に景気に対する見方や、所得や雇用についての見通しを尋ねて算出されるものなので重要だとしている。

両教授はまた、米国の国内総生産(GDP)は人為的に高くなっているとも指摘している。

さらに、コロナ禍による記録的な失業率とその急速な回復という話も、文字通りに受け取るわけにはいかないかもしれない。ブランチフラワーらは、米国の雇用市場は、政府による前例のない失業給付やその他の景気対策で下支えされてきたとも論じている。

ふたりは、論拠にしているデータが誤っている可能性はあるとしつつ、いわゆるグレート・リセッション前の2007年にも同様の指標が出ていたにもかかわらず、エコノミストらはそれを軽視していたとも言及している。

米経済をめぐっては、ほかにもインフレの加速や中国経済の過剰債務、サプライチェーンの障害なども懸念事項となっている。

2021年に米国の8州(カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、テキサス)でみられた消費者信頼感の落ち込み幅は、2007年に並ぶ大きさとなっている。もちろん、これにはコロナ禍による経済、健康両面のショックが影響を与えたのは確かだろう。ただ、ブランチフラワーらが言うように、コロナ禍をめぐる消費者の不安や、景気や失業についての認識は、実体経済を大きく冷え込ませ、ひいてはリセッションを招くこともあるのだ。

編集=江戸伸禎

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