Flipで見えた勝利の方程式
折りたたみ式スマホ市場への参入を検討しているメーカーは、Flipの人気を興味深く見守っているに違いない。サムスンは、ニッチ層向けだった折りたたみ式端末を、メインストリームに押し上げる勝利の方程式を編み出したようだ。
しかし、Fold 3を幅広い層に普及させるためには、まだ改良が必要だ。筆者は、Fold 3のレビュー記事の中で、マルチタスクやクリエイティブな機能を使うのが非常に楽しいと書いたが、日常生活で持ち歩くにはかさばるため不便だ。
また、7.6インチの大画面を多用するとバッテリーを早く消耗する。ディスプレイを広げて小型タブレットとして使う場合も、バッテリーの持続時間が課題になっている。
一方、Flip 3は既にメインストリーム製品として普及する準備が整っている。サムスンは3世代に渡る改良の結果、競合に比べて極薄なガラスの開発に成功し、先日はスタイラスペンで画面に繰り返し書き込んだり、端末を20万回開閉するといった耐久性テストの動画を公開した。
Flipは、デザイン面の改良はほとんど必要なく、課題があるとすればソフトウェアとバッテリー効率をさらに向上することくらいだ。今後は、グーグルやアップルなど他社が折りたたみ式端末を開発する場合も、クラムシェル型を採用する可能性が高いだろう。