米タバコ売上が20年ぶりに増加、コロナ禍のストレスが原因か

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米連邦取引委員会(FTC)が10月26日に発表したタバコ産業に関する年次報告書によると、昨年のタバコの売上高は20年ぶりに増加し、パンデミックによるストレスの高まりの中で、以前より多くのアメリカ人が喫煙をしたことが示された。また、タバコの広告・宣伝費は2.9%増の78億4000万ドル(約8940億円)に達した。

FTCのレポートによると、2020年に米国内で大手のタバコメーカーから小売店に販売されたタバコは2037億本で、2019年の2029億本からわずかに増加した。ただし、この数値はピーク時の1981年の6365億本を大きく下回っている。

煙を出さないタバコの販売量は、前年比で0.9%の増加だった。

ただし、ニールセンのデータによると、10月9日までの4週間のたばこの販売量は、昨年の同時期に比べて9.4%減少しており、タバコの売上の増加は1年限定のことだった可能性が高い。

タバコ会社が2020年に小売店に支払ったディスカウントのための費用は60億7000万ドルで、広告・宣伝費全体の4分の3以上を占めていた。

米国の若者の間では、電子タバコの人気が高まっている。9月に米国食品医薬品局(FDA)が行った調査によると、高校生の11.3%、中学生の2.8%が電子タバコを日常的に使用している。

26日火曜日に発表されたJAMA Pediatricsのレポートによると、アメリカとカナダのティーンエイジャーの大麻のベイピング(加熱式デバイスを用いた吸引)の生涯経験率は、2013年から2020年にかけて6.1%から13.6%に上昇していた。

編集=上田裕資

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