グーグルは、コネクテッドデバイスに自社のソフトウェアをインストールするためにTVメーカーに支払う金額を増やしており、1台あたり10〜15ドルを支払おうとしているとThe Informationは伝えている。これに対し、ロクが支払う金額は7〜8ドル程度という。
グーグルは、ロクとの提携で知られる中国のテレビメーカーTCLとの契約を獲得し、TCLは、グーグルのOSを搭載したテレビの製造を開始するという(TCLは、アマゾンの自社ブランドのテレビの製造も行っている)。
米国ではケーブルテレビ離れが続いており、コネクテッドTV分野では、ロク、アマゾン、グーグル、アップルの競争が激化しており、これらの企業はVizio、LG、サムスンなどの独自のプラットフォームを構築したテレビメーカーとも競合状態にある。さらに、コムキャストをはじめとするケーブル事業者もストリーミングサービスを立ち上げている。
コネクテッドTVプラットフォームは、ネットフリックス、Hulu、Disney+などのストリーミングサービスに、消費者との窓口を提供し、その見返りにサブスクリプション費用や広告収入の一部を受け取っている。
グーグルは、2010年にソニー、インテル、ロジテックと共同でGoogle TVを発表した。セットトップボックスやストリーミングスティックの構想に早くから着手した同社は、2013年にクロームキャストを、2014年にAndroid TVを発表した。そして、2020年にはクロームキャストとAndroid TVのコア機能を一体化させた映像デバイスの「Chromecast with Google TV」を発売した。
昨年12月に発売されたChromecast with Google TVは、従来のクロームキャストとは異なり、Google TVを搭載しており、リモコンを使って単体で操作できる点が特徴だ。Google TVは、各社のストリーミングサービスやYouTube TV(米国のみで提供)に簡単にアクセスできる。
The Informationによると、グーグルはGoogle TVの大規模なマーケティングキャンペーンの準備を進めているという。
多くの業界関係者は、グーグルのクロームキャストやAndroid TVに関する取り組みを、「本腰が入っていない」と評価していたが、同社の営業担当者はThe Informationに対し、ピチャイCEOが、コネクテッドTVを「最優先事項」とすることを明確にしたと語ったという。