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2021.10.27

サンフランシスコ都市圏、EV購入に最大100万円超の補助金

George Rose/Getty Images

米カリフォルニア州はすでに、電気自動車(EV)導入率が全米で最も高く、同州サンフランシスコ都市圏は米国内でも特にEVに優しい地域の一つとなっている。住民10万人当たりのEV充電所の数は、同市内で52、近隣のテクノロジー都市サンノゼでは49だ。

サンフランシスコ都市圏は間もなく、EVの初購入者にとってさらに魅力的な場所になる見込みだ。ベイエリア大気質管理局が立ち上げた奨励金プログラム「Clean Cars for All(皆にクリーンな車を)」は今年、資金が一時底をついていたが、このたび州から新たに830万ドル(約9億5000万円)の予算を得て、再始動することになった。このプログラムを利用すれば、条件を満たすEV購入者は最大9500ドル(約110万円)の補助金を得られる。

これには完全なEVだけでなく、燃料電池車(FCV)やプラグインハイブリッド車、従来型のハイブリッド車、電動自転車、さらにはベイエリアの公共交通機関利用カードの購入を対象としたさまざまな額のキャッシュバックが含まれる。EVやプラグインハイブリッド車の購入者にはさらに、自宅用充電装置の購入・設置の費用として最大2000ドル(約23万円)が支給される。

ただ、これにはいくつかの条件がある。申請者は、指定された76の郵便番号の域内に居住している必要がある。また支給額は、世帯の人数と収入によって決まる。

EV購入に5500ドル(約63万円)を支給する「基本補助」は、単身者であれば年収5万1520ドル(約590万円)以下、4人世帯であれば年収10万6000ドル(約1200万円)以下、8人世帯であれば年収17万8640ドル(約2000万円)以下の人に限定される。

支給額7500ドル(約86万円)の「中間補助」は、4人家族であれば年収7万9500ドル(約910万円)以下の世帯が対象となる。低所得者向けに9500ドル(約110万円)を支給する「最大補助」は、4人家族の場合は年収5万9625ドル(約680万円)以下の世帯が対象だ。

また重要な点として、補助を受けるためには、2年以上所有している2005年製以前の車を廃棄しなければならない。すでに解体された車や、部品が回収された車、所有権の移譲途中の車、企業や非営利団体、公的機関に登録されている車は対象外だ。以前プログラムを利用した人も対象外となる。

米国ではこの他にも、ゼネラル・モーターズ(GM)とテスラを除くEVの購入者は、条件を満たせば、一度限りの措置として7500ドル(約86万円)の連邦税控除を受けられる。また、実際に施行されるかどうかはまだ分からないが、車の製造・組立の場所に応じてこの控除額を最大1万2500ドル(約140万円)まで引き上げる新たな制度もバイデン政権により提案されている。

編集=遠藤宗生

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