ビジネス

2021.10.26

教育特化型SaaSが高評価 ライフイズテック海外機関投資家から調達

左からライフイズテック水野雄介CEO、小森勇太COO


──No1シェアの理由は。

CS(カスタマーサクセス)まで含まれるいい教材が作れている点だ。ステップ・バイ・ステップで、一人ひとりの学習進捗に合わせて学べる。初心者でもPythonをはじめ、データサイエンスの基礎が学べる。また、教員向けの支援できている点もあげられる。自分たちで研修をつくることだけではなく、生徒一人ひとりの進捗をみながら先生がサポートしやすい状況をつくり、授業のコマ数に応じた指導要領やスライド(黒板)も用意している。

──今後は。

今回の資金調達の使途は、ビジネス・デベロップメント(事業開発)、エンジニアの採用にあてていく。今後、市場シェア70%、1万校が私たちのプロダクトを使っている世界を目指したい。そしてシェアを獲り、かつ、実現したいのは、社会を変えられる子どもたちを育てることだ。クリエイティブで身の回りの人や地域を変えられるサービス、プロダクトをつくることがプログラミングを学ぶ目的。「文法がわかるけど話せない」というのではなく、社会を変えられるイノベーション人材を育てること。中高生600万人ちょっとに対して社会を変えるイノベーション人材を20%、120万人にすることを2025年ビジョンとして掲げている。

──「ソーシャルIPO」を掲げてきた。

現在でも、(上場時に収益性だけでなく、社会的なインパクトを示す)ソーシャルIPOを目指しているが、市場として拡大・成長し、ポジショニングもいいというなかで、純粋にスタートアップとして資金調達した。経済性、社会性ともに評価された。会社としては継続的に社会性についてもチームを作って議論している。「何人に届けるか」といった(社会的)インパクト評価について整理をすることからはじめていたが、現在は「それだけが社会を変えることではない」と思っている。おぼろげながら思っていることは、先進国38カ国中37位の「子供たちの精神的幸福度」の向上や起業率の向上をKPIにして、それらの数字をあげられるくらいの「力」や「状況」をつくらないかぎり、本当にインパクトは出せないということで、そういうところを目指している。

文=フォーブスジャパン編集部

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