──今回の資金調達では海外機関投資家から調達した。
日本のEdTech(エドテック)、教育のDXに対する海外機関投資家の関心の高まりを感じた。当初は、2022年の年明けにプレIPOも兼ねて機関投資家回りをはじめようと思っていたが、証券会社からの紹介で海外機関投資家1〜2社と話す機会があり、今回の資金調達に至った。
その背景には、海外機関投資家側によるエドテック市場の広がりに対する高評価があった。政府による小中学生に1人1台の端末を配布する「GIGAスクール構想」、20年からの新学習指導要領の変化でプログラミング教育の必修化への動きといった流れがコロナ禍で加速。さらに文科省だけでなく、デジタル庁や経済産業省も動いているなど市場拡大が進んでいる。その中で、中・高・大・社会人までデータサイエンス領域でいいポジションを取れていて、シェアを拡大している点が評価された。
──事業成長の源泉は。
この2年、コロナ禍で成長した事業は、学校向けのSaaS型のクラウド教材だ。教育に特化したバーティカル型SaaSだ。21年から中学で、22年度から高校でプログラミングが必修化し、25年から大学入学共通テスト科目になる。こうした中、先生が誰でも教えることができる教材がバーティカルSaaS型で公教育に入っている。現在、約1650の公立・私立学校、約32万人が利用し、年100%成長と伸びている格好だ。日本の中学・高校合わせて1万5000校近くあるのでシェア10数%で、オンライン教材のなかではナンバー1。外部機関の調査では76%。まだ導入している学校が少ない中でのシェア76%なので、これからも事業がより伸びていくだろうと海外機関投資家からも評価された形だ。
自治体の中でも、これまでにない教科だが重要なので、学校間で格差がでないように取り組んでいる。例えば、福岡市などは全市で導入いただいている。また、同教材とともに、教員研修も成長している点も特徴だ。SaaS型ビジネスモデルが立ち上がり、データサイエンス領域で中学・高校のプラットフォームになっている。