米国で使用が許可されているワクチンは、ファイザーとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、モデルナが生産する3種類。ワレンスキー所長は発表した声明で、必要な接種が1回のみのJ&J製について、2カ月前に接種を受けたおよそ1500万人の成人はすべて、追加接種を受けるべきだと述べている。
また、ファイザー製とモデルナ製のワクチンを接種した人は、接種から6カ月が経過した高齢者、長期療養施設に入居している成人、基礎疾患がある人、感染リスクの高い環境で働いている人のみが、追加接種の対象とされている。
この発表の数時間前には、CDCが外部の専門家委員会が行っていた協議の結果を受け、モデルナとJ&Jの追加接種を推奨すると発表。さらにこの前日には、米食品医薬品局(FDA)が両社のワクチンの緊急使用許可の範囲を拡大することを明らかにしていた。
「ブースター」の対象は一部の人
FDAとCDCは9月、高齢者とその他のハイリスクの患者を対象として、ファイザー製ワクチンのブースター接種を承認した。また、8月にはファイザー製とモデルナ製のワクチン接種を完了した免疫不全の人を対象に、追加接種を承認している。CDCによると、すでに追加接種を受けた米国人は、10月24日時点でおよそ1290万人にのぼっている。
CDCはまた、すでに接種を完了したワクチンとは別の種類でブースター接種を受ける「交差接種」も可能であり、推奨するとしている。10月中旬に公表されたJ&Jのワクチンに関する予備データでは、ブースターとしての2回目の接種にJ&J以外の2社のワクチン接種を受けた人には、より多くの抗体ができていたことが示されたという。
連邦保健当局は今のところ、ファイザー製・モデルナ製のワクチンを接種した若い世代の人たち、つまり「ハイリスク」のグループに分類されない人たちについては、ブースター接種を承認していない。
だが、対象は今後、拡大される可能性があるとみられている。CNNと米紙ワシントン・ポストは先ごろ、匿名の情報筋からの情報として、「規制当局は現在、40歳以上のすべての人を対象とすることについて、検討中だ」と報じている。
外部の専門家からなるFDAの諮問委員会は9月、16歳以上のすべての人をファイザー製ワクチンの追加接種の対象とすることについて、「その必要性を示す十分な証拠がない」として、承認を見送る判断を下した。
だが、バイデン米政権のアンソニー・ファウチ首席医療顧問はこれについて24日、「当局が今後に入手するより多くのデータによって、判断されることになる」と説明している。