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松山英樹のコーチ、目澤秀憲

日本のトッププロゴルファー松山英樹が初めて専属コーチを付けたというニュースが駆け巡ったのが昨年のこと。コーチ契約からわずか5カ月後、4大トーナメントのマスターズで松山選手が日本人初の優勝を果たし、そのコーチ、目澤秀憲は世界中の注目を集めた。1991年東京都生まれの若きコーチは、松山選手と同世代の30歳だ。

アメリカで出会って運命を決めたTPI


学生時代は、ゴルフの名門、日大ゴルフ部に所属し、将来はプロゴルファーとして活躍しマスターズで優勝することを夢見ていた目澤。しかし、マスターズ出場どころか、プロテストにも合格を果たせず、挫折を味わっていた。悩んだ末、思い切ってボストンへ語学留学を決めたことで運命の道が開けたという。

目澤はそれ以前から、米レッスンライセンス「TPI(Titlist Performance Institute)」に強い興味を持っていた。「スウィングの形」以前に「フィジカル面」からアプローチするTPIの手法を自身のゴルフで取り入れてみたところ、みるみる結果が出るという目からウロコの体験を得て、TPIへの信頼が高まった。

プロプレイヤーへの未練を断ち切り、コーチに転向する決心を固めたのも、この頃だという。日本人では少数しか存在しないTPIの有資格者。努力を重ねた結果、難関を突破し、最高水準レベル3の資格を取得した。このTPIこそが、目澤の原点となる指導法を生み出していった。



TPIは、アメリカを本拠とするゴルフ用品ブランド、タイトリストの研究施設。「ゴルフ」「ジュニア」「メディカル」「フィットネス」などのコースに分かれ、認定プロフェッショナルを輩出している。試験は全て英語。目澤は、レッスン技術の「ゴルフ」と、ジュニアレッスンや経営の「ジュニア」部門で、最高水準を叩き出した。資格登録すれば、世界で活躍するTPI資格者のコーチング情報を閲覧できるというメリットも備えている。

選手との“対話”と“データ”を活用する目澤流スタイル


コーチが100人いたら100通りの指導法があると目澤は言う。

「何をもって正解だという事はないんですよ。選手とぶつかり合うコーチがいたかと思えば、選手と全く会話をせずにひたすらボールを拾うコーチもいたり(笑)。理論を追求して選手と徹底的に話し込む熱血コーチもいます」

そんな世界のコーチ事情を目の当たりに見てきた目澤は、“選手を型にはめて可能性を狭めない”自由なコーチング理論を持っている。

「自分のスウィングは自分で見ることができない。そこの部分はデータやスウィング動画を活用しますが、とことん話を聞いて、選手のプレースタイルを尊重しています。あえていうなら、“選手をどう振り向かせるか?”だと思います。選手と一緒に作りあげるコーチング。これが自分の課題かも知れません」

取材・文=中村麻美

コーチ松山英樹

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