以下では、気配りのパワーを利用して信頼を勝ちとるための、マクラッケンいわく「誰にでも使える」3つの方法を紹介しよう。いずれも、どんなセールスや関係でもすぐに威力を発揮するものだ。
1. 正しいかたちの質問をする
質問が「自己中心的」なものか「他者中心的」なものかは、すぐにわかるとマクラッケンは言う。相手を理解し、役に立ち、助けたいという気持ちを示す質問をしよう。自分のための質問をしてはいけない。相手を操ったり、相手の上に立とうとしたりするための質問では、けっして信頼関係は築けない。
2. あらゆる会話に備える
準備もせずにミーティングに現れたら、準備をするだけの気配りがないことが伝わってしまう。相手に気を配っているのなら、きちんと準備をしてそれを示そう。これから助けようとしている相手について、できるかぎりのことを学び、研究し、調査しよう(そうすれば、より的確な質問もできるようになる、とマクラッケンは付け加えている)。
3. ラベルを使いこなす
求める未来に「ラベル」をつけることを、マクラッケンは提案している。人はラベルを信じるようになる。誰かにラベルをつけると、私たちはたいてい、そのラベルに応じてその人を扱う。ポジティブなラベルも、ネガティブなラベルも、利用することができる。
素晴らしい関係を望むのなら、その関係を表すための言葉に気を配る必要がある。それは、「関係者全員にとっての価値」を高めるために共に目指す、目標や結果を定義するものであるべきだ。
単に気を配るだけでは足りない、とマクラッケンは強調する。「要するに、あなたは、自らの行動を通じて、自分が気を配っていることを示している。意図があるのはすばらしいことだが、あなたの心がどこにあるかを証明するのは行動だ」
なお、マクラッケンの著書の表紙は、なかなか機知に富んでいる。表紙には大きな赤い字で「Really Care For Them(彼らのために本当に気配りをしよう)」と書かれているのだが、よく見ると、行間に白い小さな字が存在していて、全体ではこういうメッセージが書かれている。「あなたのために本当に気を配ってくれる人は誰もいない。相手が気にしているのは、あなたが自分のために何をしてくれるか、だけなのだ」