貴重だが見逃されがちなリーダーの「聞く力」 3つの習得法

Getty Images

素晴らしいリーダーについて考えるとき、何が心に浮かぶだろう?

説得が得意でカリスマ性があり、スピーチに優れた人を思い浮かべるかもしれないが、リー・アイアコッカからゲイリー・ヴェイナチャックまで、リーダーらが成功の秘訣(ひけつ)として挙げるものの非常に過小評価されたソフトスキルがある。それは「聞くこと」だ。

聞くことには多くの利点がある。能動的なリスニングは敬意を示し、信頼を構築し、人々に自分が評価されていると感じさせるものだ。聞くことによって好循環も生まれる。私たちは自分の話を聞いてくれる人に自然と引かれるようになっている。そのため誰かが自分の話を聞いてくれていると感じると、私たちは心を開いて情報を共有するのだ。

能動的なリスニングにより、リーダーは良いことも悪いことも学ぶことができる。新たなアイデアや機会を見つけるだけでなく、まだ生じたばかりの潜在的な問題に気づき、創造的な方法で解決することができる。相手の話を聞くリーダーを推奨するリチャード・ブランソンは「自分自身の話を聞いていて何かを学んだ人はいない」とうまく表現している。

ここでは、リスニングの技術を習得する3つの方法を紹介する。

1. マルチタスクをやめる


あなたには、会話の相手がメッセージを確認していると分かっているものの、相手はあなたの話を聞いていたと主張する状況に置かれたことはあるだろうか? マルチタスクをしながら本当の意味で聞くことは不可能だ。次に同僚と話すときには携帯電話やラップトップコンピューターをしまい、相手に全神経を向けること。

相手に焦点を当てることで、その発言にはあなたが全神経を集中させるほどの意義があり重要だということを相手に理解してもらえる。自分の話を聞いてもらっていると感じさせることで、相手はあなたのためにより多くのことをしたいと思うだろう。

2. 返答のためではなく、理解するために聞く


解決策志向のリーダーは多くの場合、相手に答えるためでなく理解するために聞くことが特に難しいと感じるかもしれない。しかし聞くためには、自分が言いたいことを抑え、共感力を発揮して他者の立場になって考えることが必要だ。

自分が何かを言う前に、邪魔せず相手の話を聞くこと。相手が話し終わったら心から好奇心を持ち、情報を明確化するために質問をして、聞いたことを繰り返す。

この習慣を身につければ現在取り組んでいる話題についてより深い理解を得ることができるし、他者にとって大事なことを覚えておけるようになるだろう。
次ページ > 相手が言葉に出さないことを聞く

翻訳・編集=出田静

ForbesBrandVoice

人気記事