国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

MINI ジョンクーパー・ワークス・クロスオーバー

その運転席に初めて座った時、映画「オースティン・パワーズ」の世界にタイムスリップした気分だった。MINI ジョンクーパー・ワークス・クロスオーバーほど楽しいクルマはなかなかない。外観スタイリング、室内デザイン、走り、加速性、乗り心地、エキゾーストノートなど、その全ては遊び心満載で英国のモータースポーツへの強い情熱を感じさせる。この3ドアのMINI ジョンクーパー・ワークス・クロスオーバー(以下JCW)は、はっきり言って高級ゴーカートのようだ。

今回試乗したJCWはマイナーチェンジ仕様で、エクステリアデザインに手が入れられている。パッと見てすぐ分かるのは、2017年に出たモデルよりもグリルが大型化したことと、タイヤが19インチにアップしたことだ。かなりの大口で、丸っこいLEDヘッドライトと相まって迫力が増している。

しかし、このクルマはMINIのラインアップの中でも、派手な仕様。ここだけの話だけど、僕は結構好き。その外観はまるで、1960年代のポップアートの巨匠アンディ・ウォーホールが、MINIのスポーツ仕様を手がけるジョンクーパー・ワークス社とコラボしたようだ。

後ろから見たJCW
撮影時に急な雨が…。雨に濡れても、なぜか雰囲気があるのは英国車だから?

濃いグリーンのペイントに真っ赤の太いストライプ、赤いミラーと赤いアクセントが超格好いい。そして、英国の国旗ユニオン・ジャックのモチーフが入っているテールライト、19インチの大きめのホイールの奥にある赤いブレーキ・キャリパーはそれなりにレーシーで濃い味を出している。

リアの2本だてのエキゾーストパイプは格好いいけど、その周りのなんちゃってデフューザーとエアヴェント、ボンネットのエアスクープも見ばえ重視で、何の効果的な意味はない。でも、最近こういうドレスアップのニュアンスは多くのメーカーが使用しているけどね。

インテリアも独特で、ポップで楽しい雰囲気を出している。

運転席の写真

1960年後半に流行ったサイケデリックブームと、ザ・ビートルズの名アルバム「サージェント・ペッパーズ」のアバンギャルドなテーマとの間に生まれたようなポップなインテリアは目に刺激を与える。キャビンのデザインこそが過去と現在と融合みたいな仕上がり。ドライバーの前のメーターパネルは全て最新のフルデジタルだから読みやすくなっている。円形センターコンソールのタッチスクリーン周りのディスコっぽい照明がポップな感じだ。タッチスクリーンに登場するエコ、ミッド、スポーツという3つのドライブモードの画像演出もアニメチックで楽しい。デザイナーたちは随分と遊んで作り込んだ感じがする。

しかし、スポーツ・モードのサスペンションの設定はレースカー並みの固さに変わるので、市街地では目玉が取れちゃういそう。だから、このモードは高速道路かサーキット走行に限るだろう。

コンソールパネルの写真

文=ピーターライオン

MINI
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