アマゾンやマイクロソフト、アップル、フェイスブック、セールスフォースらもここ最近、マンハッタンにキャンパスを構えている。この動きは、テクノロジー企業が、金融業界に代わり、ニューヨーク最大の産業として急速に成長していることを示している。
今から20年前に、ティム・アームストロング(50歳)は、グーグルの最初のニューヨーク勤務の社員となった。「その当時は、ニューヨークでインターネット関連で働く人たちを集めてパーティーを開くとしたら、1軒のバーで十分だった。しかし、今では、全員が集まるためには、マディソン・スクエア・ガーデンを貸し切っても足りない」と、彼は話した。
ニューヨーク州会計検査院のデータによると、ニューヨーク市内のハイテク企業の数は、2020年に1万社を超え、20年前の2倍以上に増えている。また、2000年から2020年の間に、市内のハイテク企業の従業員数は10万8000人から16万7000人に増加した。一方で、金融業界の従業員数は19万人から17万6000人に減少した。
Real Capital Analyticsのデータによると、2008年の金融危機以降、米国最大の5つの銀行(JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティーグループ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス)は、合計で約550万平方フィートのマンハッタンのオフィススペースを削減した。
同じ期間に、グーグルとアマゾンの2社だけで、合計で約650万平方フィートのオフィススペースを取得しており、アップル、マイクロソフト、フェイスブックは、マンハッタン全域で数百万平方フィートのスペースを借りている。
CBREの商業ブローカーで、グーグルのビル買収を担当したダーシー・スタコムは、「この街は常に金融サービスの街として語られてきたが、今では金融とハイテクの街になった」と語る。スタコムは、10年後にはハイテク業界が金融業界を抜いてニューヨーク最大の不動産の占有者になる可能性があると話した。