アップルの効果測定ツールの問題
スナップの幹部は、20日のアナリストとの電話会議で、広告事業の苦境の原因の一部が、アップルの広告システムの変更にあると述べた。アップルは、iOS14.5のリリースと同時に、ユーザーの個人情報保護を目的としたATTフレームワークを導入し、広告主に、プライバシーに配慮した効果測定ツールのSKANへの対応を求めた。
SKANは、スナップや広告主たちが、ユーザーの行動を把握することを助け、プライバシーポリシーの変更で失われたデータを補完するものだとアップルは説明していた。
しかし、スナップは、SKANのデータが、自社の測定ツールのデータと一致しないと主張している。フェイスブックも同様な問題を指摘し、SKANは広告主が望むほど迅速にレポートを作成できないと述べている。
このような変化は広告主を不安にさせ、追加のキャンペーンに広告費用を支払うことを躊躇させる可能性がある。
スナップのCFOのデレク・アンダーソンは、「iOSプラットフォームの変更が、長期的にどのような影響を及ぼすかはまだ明確ではない」と述べている。「それが明らかになるのは、エコシステムが安定し、広告主が当社が開発中の新しいソリューションを完全に導入できるようになってからであり、少なくとも数カ月以上の時間がかかる」と彼は指摘した。
さらに、米国企業が直面しているサプライチェーンと労働力不足の問題が、スナップなどの企業に影響を与える可能性がある。広告主は、マクロ経済の混乱により、第4四半期の広告出稿を延期または削減せざるを得なくなる可能性があると同社に伝えている。
スナップは、第4四半期の売上高の伸びが30%程度になると予想しているが、アナリストは、同社が50%近い成長を達成すると考えていた。