同社は労働市場における競争の厳しさを受け、入社ボーナスとして最大3000ドル(約34万円)の支給を見込んでいる。さらに一部のシフトでは、平均初任給の1時間当たり18ドル(約2000円)に3ドル(約350円)を上乗せできる見通しだ。アマゾンが昨年採用した労働者は今回と比べて5万人少なく、特別手当や給与の割り増しはなかった。
同社は、2日間配送など顧客に対する約束をこれからも果たすためには、配送センターでの年末に向けた採用が重要だと述べた。配送センターでは、労働者が発注された商品を拾って梱包(こんぽう)し、出荷している。
小売業者は、厳しさが増す労働市場で年末シーズンに向けた人材を確保しようと競い合う今年、新たな福利厚生や奨励金を提供している。
米百貨店コールズは、年末の休暇シーズンを通して勤務を続ける時間給労働者に対し100~400ドル(約1万1000~4万6000円)の特別ボーナスを導入した。
また、米百貨店ノードストロームは、店舗の時間給労働者に奨励給として最大650ドル(約7万4000円)を与える予定だ。さらに、サプライチェーン分野の新入社員は最大2500ドル(約29万円)得ることができる。リーバイスは店舗割引を50%から60%に引き上げ、新入社員には服を選ばせる予定だ。
他の企業は、既存の労働力により重点を置いている。米小売大手のターゲットが年末にかけて募集している労働者は昨年より約3万人少なく、代わりに現在の従業員に計500万時間を追加で与えることにしている。同社は、従業員が簡単にシフトを追加したり交換したりできる新たな予定管理アプリを導入した。
米コンサルティング企業コーン・フェリーが最近実施した調査によると、採用の問題を抱えていないと答えた米小売業者はわずか2%だった。期間限定労働者を集めるため、小売業者の25%はマーケティングや採用の取り組みを強化していると述べ、15%は既存の労働者に対して人材紹介ボーナスを与えている。
特別手当や給与アップはそれほど一般的ではない。同調査によると、シーズン終わりに特別手当を出すと答えた企業はわずか7%で、年末にかけての休暇シーズンに給与を上げると答えた企業は4%だった。