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2021.10.27

「好きなことを仕事にする」。アーティストとして経営者として進化を続ける、篠原ともえ流仕事術とは

篠原ともえ、42歳。現在はデザイナー、アーティスト、会社経営者のほか、テキスタイルデザイン、ナレーターなど多彩な活動をしている。独創的なスタイルで「シノラー」として時の人になって以来26年、歌手や俳優を中心に活動する傍ら、コンサートや舞台の衣装を担当してきた。40歳のとき、服飾の基礎を学び直すために母校の門を再びくぐり、その後は仕事の幅をさらに大きく広げている。

近年は地域創生や企業ブランディングも手がけている彼女に、Forbes JAPAN WOMEN AWARD2021 ReFa特別賞が贈られた。自分らしい仕事を続ける篠原に転機やキャリア維持についての話を聞いた。


—篠原さんの転機について教えてください。

1995年、16歳のときに歌手デビューして以来、歌や舞台など表現を生業にしてきました。この道を夢中で進んできたましたが、時間ができると絵を描いたり洋服を縫うなどの創作活動は続けていました。

ありがたいことに芸能活動と並行して、アーティストの衣装やマテリアルのデザインなど、クリエイターとしての仕事が徐々に増えてきまして。デザインの仕事をいただくうちに、やはり基礎は大切だと痛感して、40歳のときに母校・文化女子大学短期大学部(現・文化学園大学)のオープンカレッジに通い、学び直しをしました。

—順調にキャリアを重ねてきた表現者としての仕事を休業し、40歳で学び直す。そこに不安はなかったのでしょうか。

やはり、「自分はデザインの仕事がしたいんだ」という強い思いがありました。それに主人(アートディレクター・池澤 樹)と会社(株式会社STUDEO)を立ち上げようかというタイミングでもありました。加えて、所属していたエージェントの皆さんや家族が応援してくれたことも大きかったと思います。

もちろん、未知であるデザイナーの道を選ぶ不安はありました。でもその不安は、学校での学びが払拭してくれたと思っています。多くの課題や授業と真摯に向き合ううちに、「これは、10代後半の学生時代にやり残した宿題を、40代の私が行っているのだ」と思うことも多かったですね。

勉強していると、「心からやりたかったことを、今、私は学んでいる」と改めて感じることも多く、デザインを学び直すうちに、幼い頃に習っていたバレエの衣装を考えることが大好きだったことも思い出しました。“三つ子の魂”ではありませんが、根本の部分はずっと変わっていないかもしれませんね。

それに手を動かすことは、自信を重ねていくことでもあります。練習量と作品数を積み上げれば自ずと道を開けていく。これらを再確認する意味でも、母校での学び直しは大きな意味がありました。

—2021年はコロナ禍の中、篠原さんがデザイン・ディレクションを手掛けた革のアクセサリーが、100年以上の歴史がある広告賞・ニューヨークADC賞のトラディショナルアクセサリー・イノベーションの2部門でメリット賞を受賞したことが報道されました。現在の仕事について教えてください。

ファッションデザインの仕事もしていますが、今は企業から依頼をいただき、プロダクト、パッケージ、その撮影からPRまでデザイン・ディレクションさせていただくことが多く、全体のブランディングも含めご提案させていただいています。仕事の流れとしては、オリエンテーションを受け、社内でブレインストーミングしてアイディアを練る。そして、プレゼンテーションをします。

デザインやディレクションのお仕事をするときにも、表現者として人前に出る仕事の経験が活きていると感じますね。どの企業にも言葉や絵にならない、可視化しにくい“魂”のようなものがあります。これは経営者をはじめ、社員の方々も気づいていないことが多く、私たちのチームがさまざまな方向から考えて引き出していきます。

このような“魂”をデザインや言葉で表現し、プレゼンテーションしますが、お互いに「わかり合えた」と感じたときに、「この道を選んでよかった」と心の底から思います。ライブで歓声を受けるのと同じような感動に包まれることもあるんですよ。

そういった経験から、私は“何かをつくる”ということだけでなく、“想いを届ける”ことも好きなんだと気づきました。



—企業や団体の思いを形にするということですね。現在チームリーダーとして、アシスタント・デザイナー、マネージャーなど数人のプロフェッショナルを率いているそうですが、マネジメントで気をつけていることは?

“シェアする”ということでしょうか。例えば、ひとつの企画があるとします。自分でラフ案をまとめたら、メンバーにも見てもらうようにしているんです。私のチームにはさまざまなタイプの人がいて、言葉の表現が得意な人、デザインの感覚が鋭い人、俯瞰できる人、進行管理が得意な人など、それぞれの強みがあります。みんなで意見を出し合ううちに、その企画が目に見えて磨かれていき、私ひとりで考えるよりも、よりステキな世界に羽ばたいていくように思います。

それに、みんなで仕上げたほうが、チーム全体で喜びをシェアできますよね。この“シェア”は、私のマネジメントにおけるひとつのキーワード。アイディアはもちろん、スキルのシェアをしやすい環境を整えています。また、そういう自分であり続けたいと思っています。

—篠原さん自身が、いい仕事環境を整えるために行っていることを教えてください。

まずは、仕事に積極的に関わる、ということかなと思います。いわゆる「丸投げ」をせず、一度自分でやってみるんです。最近、ある資料の作成をしたんですが、得意な人に頼んでやってもらったほうが早いけれど、自分でデザインソフトを使って作ってみました。苦手だと思い込んでいたことも、やってみると案外できるようになるんですね。自分でできることが増えたことで、ほかの誰かをサポートできるようにもなりました。

だからこそ、苦手なことも積極的に行うようにしています。私は、スケジュール管理、予算計画、制作進行、メンバーへの指示が不得手です。だけど、好きな仕事を続けるには、これらのことは避けられません。試行錯誤をしたり、得意な人に教えていただいたりして、乗り越えるようにしています。スキルを身に付け自分自身をブランディングしてゆく、そんな感覚なのかもしれません。

—篠原さんは「自分らしさ」を大切にしながら一つひとつの仕事に丁寧に向き合ってこられたのだとわかります。自分らしく輝き続けるために、大切にしていることなどありますか?

実は20代の頃から自分にかけてあげる3つの言葉があります。それは「自分らしく・自由に・自信を持って」です。 当時はステージに上がる前や、落ち込んだ時など、自分に勇気を与えるために投げかけていました。今でも心で唱えることがあります。このような自分を鼓舞する言葉でもいいし、好きな趣味でもお気に入りのコスメやビューティのことでも、自分自身に自信がつき、ポジティブになれる何かを持つことが、自分らしく輝くことへつながっていくと信じています。

—足場を固めつつ、自分らしい仕事を続ける。これは、多くの人の理想でもあります。現代の女性たちが、自分らしく働くために何をすればいいかアドバイスをお願いします。

自分らしい仕事や働き方についてですが、これは、「どうしても辞められないこと」が答えなんだと思います。仕事は楽しいことだけでなく、苦しいことも多いですよね。どんなに苦しくてもうまくいかなくても、何度も挑戦したくなる。しつこく諦められないことが、「自分らしい仕事」につながるのではないでしょうか。

私は、すごく苦しい思いをしたのに、なぜか「またやりたい」と思うことがよくあります。どの仕事においても、生みの苦しみを伴うことが多いですが、世に出たときの喜びは格別なものがあります。

やりたいことは誰にも止められません。結局、自分の進退は自分が決めるしかありません。今でも不安はありますし、ネガティブな気持ちになることもありますが、「目の前にある道を突き進むのみ」なのかもしれませんね。これからもさまざまな挑戦を続け、社会とつながりながら多くの人や企業の想いを伝えゆきたいと考えています。

ー篠原は働き続けることで自分を進化させる。それには、仕事を依頼する人の期待に応え続けることが必要だ。関わるさまざまな人とアイディアやスキルをシェアし合い、何があってもゴールに向かって進み続ける——。その純粋な思いと真摯な姿勢により、自分自身の仕事の精度も自ずと磨かれる。そして、その果てで生まれたものこそが、人々の心を動かし世の中を明るく照らすのかもしれない。


ReFa
https://www.refa.net/


しのはらともえ◎文化女子大学短期大学部服装学科ファッションクリエイティブコース・デザイン専攻卒。1995年ソニーレコードより歌手デビュー。歌手・ナレーター・女優活動を通じ、映画、ドラマ、舞台、CMや番組で様々なキャラクターを表現。衣装デザイナーとしても創作活動を続け、松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートなど、アーティストのステージ・ジャケット・番組衣装を手がける。地方創生の地域ブランディングにも積極的に参加し、鳥取県のブランド米「星空舞」の限定パッケージや福井県のプラネタリウム施設セーレンプラネットの制服デザインなど数多く手がける。内閣官房知的財産戦略におけるCJムーブメント会議のメンバーに就任するなど行政とのプロジェクトも多い。2020年に夫でアートディレクターの池澤樹とクリエイティブスタジオSTUDEOを設立。
https://www.tomoeshinohara.net

Promoted by ReFa / interview & text by 前川亜紀 / photographs by 尾藤能暢 / edit by 本間香奈

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