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2021.10.27

「働き方の新たな“文化”をつくりたい」。女性役員比率50%の上場企業代表が語る、次世代のための雇用推進

AI CROSS株式会社 代表取締役社長 原田 典子

原田典子が率いるIT企業「AI CROSS」は、2015年創業以来、女性の雇用を推進してきた。2019年に東証マザーズに上場、翌年は女性役員比率が上場企業として国内2位となり注目を集めた。そして2021年、「ダイバシティの推進室」を新設。女性活躍のみならず多様性の促進を加速させることを狙う。

同社は、創業以来、「Smart Work , Smart Life」の理念の下、多様な働き方に対応したITサービスを開発・提供し続けている。そんな原田にForbes JAPAN WOMEN AWARD2021 ReFa特別賞が贈られた。


—女性の雇用促進は多くの企業の課題ですが、「AI CROSS」は創業以来一貫として、女性が働きやすい環境を考えていると伺いました。

私は10年以上ドイツやアメリカなど海外の企業で働き、出産を経て2013年に日本に帰国しました。当時、日本では保育園の待機児童が大きな社会問題でした。保育園探しに苦労をして、80以上の園を回り、生後数カ月の息子をやっとのことで預けることができました。ですが、当時の日本企業は“出社ありき”の働き方が主流です。私が勤務している間、息子は朝から夜まで保育園で過ごすような生活でしたね。

アレルギー体質の息子のために母乳育児をしたくとも、海外のオフィスのような授乳室はありませんし、仕事を途中で抜け出して保育園に行くこともできません。このような私自身が感じた葛藤も「Smart Work , Smart Life」の理念につながっています。

—女性雇用には、労働人口の減少とセットで語られることが多いですが、2020年の国勢調査の速報値を参考にしても日本の総人口は2015年調査から2回連続で減少し、本格的な少子高齢化時代になったとも言われています。

女性雇用の促進は急務だと考えています。それには、柔軟な採用やその人に合わせた多様な働き方を用意することが大切なのではないでしょうか。例えば、我が社には、何十年も専業主婦をしていてアルバイトで入社した女性がいます。働くうちにめきめきと力をつけ、IT経験がないにもかかわらず、現在はサブリーダーを任されています。

広報担当のメンバーのひとりは、業務委託で東京と地方の2拠点生活をしていますし、またある役員は別の会社の部長職としても働いています。正社員、契約社員、副業、業務委託……さまざまな雇用形態がありますが、チームという意識を皆が強く持っています。大切なのは、誰かが決めた常識や正解にとらわれずに、個性や希望を活かした働き方を自らで選ぶことなのではないでしょうか。

—AI CROSSの事業内容は、原田さんの抱く課題でもある「女性活躍の推進」につながると感じました。

そうですね。例えば、我が社のサービスでいうと、年齢や性別ではなく、適性検査の結果からその人の内面スキルを可視化し、その人にあった職種やチームをレコメンドする『HYOUMAN BOX』システムや、リモートワーク時にチームの力と生産性向上に結びつけるクラウドサービス『MOVON(ムーブオン)』(α版)などがあります。こういったサービスを活用いただくと、性別ではなく、適性に応じた職種につけますし、また“出社ありき”ではなくなるので幼い子どもを持つ女性も働きやすくなるでしょう。

私たちは自社の人事や採用の経験を踏まえて、さまざまな背景や価値観、ライフスタイルを持った人々が働きやすい労働環境を整えながら、業務効率や生産性を上げるサービスを生み出していきたいです。リモートで直接会わなくても、コミュニケーションの“質”まで担保することは、課題のひとつではあります。

しかし、こういった働き方を推進していくには、働き方や相互理解をベースとした “文化”が必要です。システムがあっても、多くの人が「働く姿を見ないと評価ができない」とか、「出社しなければわかり合えない」という考え方だとシステムを活用できません。

それでも世の中は徐々に変わってきています。身近でわかりやすい例を挙げるとビデオ会議システムでしょう。コロナ禍以前は、多くの会社で子どもがいる女性社員が19時からの会議に参加できず、申し訳なさそうに帰宅する姿がよく見られました。でも今はビデオ会議システムを使う“文化”が新たに加わり、自宅で育児をしながらでも参加できますよね。コロナ禍がもたらした変化を、社会全体の“文化”の変化にもつなげていきたいと考えています。



—2021年になっても、日本では女性に家事や育児の負担が集中する“文化”がなかなか変わりません。東京都産業労働局の調査では、2019年4月から2020年3月末までの育児休業取得者調査データを見ると、女性が94.8%に対し男性は14.5%にすぎませんでした。

日本のワンオペ家事・育児はよく問題になりますが、仕方がないとも思うのです。なぜなら、男女を問わず子育て世代である30〜50代は、自分の子ども時代に家庭で子育てと家事をする母親の姿をずっと目にしているので、フルタイムで働く母の姿が想像も理解もしにくいのでしょう。家事や育児をする父親についても同様です。私の父もそうですが、家事や育児にはほぼノータッチでした。平日は会社で遅くまで仕事をし、土日のどちらかはゴルフという生活を続けていましたね。

でも、1986年に男女雇用機会均等法が施行されてからは、時間をかけて世の中が変わってきていると感じています。今の20代の親世代は共働き家庭も多く、家事や育児を夫婦で行うことが「当たり前」という意識の人も増加しているように思います。

—専業主婦と共働き家庭の割合が1996年に逆転したという調査結果(総務省「労働力調査特別調査」)もあります。

女性の雇用は徐々に広がってきてはいますよね。しかし、現場のリーダーに女性が少ないことを課題にしている会社も多いようです。これは我が社にも当てはまっており、女性役員比率こそ50%ですが、現場のリーダーは男性が依然として多いのが現状です。

よく、「女性は管理職になりたがらない」という問題が指摘されますが、その原因は、従来型リーダーのロールモデルにとらわれすぎているからのようにも感じています。リーダーといえばカリスマがあり、強い求心力で部下を統率する人物を思い浮かべます。だから多くの人が、「私には無理です」と管理職になることを辞退してしまうのではないでしょうか。

私は、リーダーこそ多様なタイプがいた方がいいと思うんですよね。例えば、「頼りない私を助けて欲しい」というリーダーでもいいですし、「みんなで力を出し合って、何とか乗り切ろう」というリーダーがいてもいいんです。リーダーの仕事は、チームがやりたいミッションを成し遂げることで、そこがブレなければいいだけなのですから。

—これからの社会では、今までの“強い女性のロールモデル”にとらわれず、個々の適正や状況のまま自然体でいられることが、能力をより発揮するためのキーであると感じました。自分らしく輝き続けるために大切にしていることや、「美しさ」に関してお伺いできますか?

やはり「内面からくる美しさ」というものは意識します。人間が神秘的だと思うところは、全世界78億人誰一人として同じ人がいない。過去にも先にも。それぞれ性格も外見も、持って生まれた素晴らしい個性があります。その個性を活かし磨いていくことが、その人の他の人にはない美しさを出していくことかなと思います。

私がやっている外面的な美しさ磨きの「美容」ということであれば、年齢的なものもあるので、運動量が減っているので、毎朝、ニュースを見ながらスクワット50回と柔軟体操、ストレッチをやっています。あと健康維持という意味で、毎日、乳酸菌飲料1本、黒酢ドリンク1杯、マヌカハニー 1スプーン、黒ニンニク1つを摂ることは1年以上続けてますね。あとは、ReFaのカラットをいただいたので、最近は朝のストレッチタイムに顔や首、肩や脚などをコロコロしてます。かなり「コリ」が解消されているように感じます。

—原田さんは2021年8月にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)としてAIX Tech Ventures株式会社を立ち上げました。コミュニケーション事業領域のスタートアップや女性起業家を中心に投資も予定していると伺いました。

アメリカでは、例えばある大手投資会社は、女性の役員が一人もいないところには投資しないとか基準を設けたりしています。日本にもいずれその波はくるでしょう。私自身がCVCの活動を通じて女性経営者を支援し、社会を変えていきたいという思いがありました。今後は経営アドバイスなど、後方支援もしていきたいですね。こういう動きが、社会全体のボトムアップに結びついていけばと思っています。

—「ダイバシティ推進室」の新設も、社会を変える力になると予想できます。

はい。どんな価値観も容認されるような文化を醸成して行きたいですね。社内のメンバーは個の多様性こそ認め合っていますが、世代間のギャップはまだまだありそうです。40代の私の世代には子育て中のメンバーも多いですが、30代には子育てするメンバーが少ないんですよ。20代のメンバーには結婚する人がちらほらと出始めましたが、20代には私たち世代はどうもたくましく見えているようで……(笑)。今の20代が持つ価値観を私たちに率直に伝えることを躊躇しているようにも思います。

でも40代の私たちは、若手のメンバーをもっと支援したいし、どんな制度の導入を希望するかなどの意見をもっと伝えて欲しいと感じています。

ほかにも、我が社ではさまざまな取り組みを試みていて、フルリモートで勤務する外国人エンジニアも在籍しています。パキスタン人の女性エンジニアが時差を考慮しつつ活躍している例もあり、多様な人々とチームをつくっていきたいと考えています。

—先進的な取り組みに挑み続けるのはなぜでしょうか。

今、子どもが9歳なのですが、彼らの世代のためにも世の中を変えたいという思いがありますね。そしてもうひとつ彼らに残したいのが、日本人としての“プライド”です。

私は父親の赴任の関係で、ドイツで育ちました。当時の父は40代でしたが、英語がまったくしゃべれないのに、現地で猛勉強をして欧州諸国でも営業をおこなうまで英語力をつけ、大きく業績を伸ばしました。この、日本人ならではの勤勉さ、真面目さ、一途さなどのポジティブな “凄さ”を間近で見て、そこに私は働く者としてのプライドを感じました。

今の子どもたちが海外に出るときのために、そんな日本人の凄さを伝えたい。だからダイバシティを進め、多くの人の意見を取り入れながら、グローバルに通用するサービスを作りたいんです。それが今の私の目標ですね。

ー原田自身の経験や葛藤から生み出されたITサービスが、働きたくても“出勤”できない人々の環境を、自宅にいながら仕事ができるように整えていく。我々がするべきなのは、それをうまく活用し、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が許容し合い、自由に働ける“文化”をつくっていくことだろう。今後も原田率いるAI CROSSは、革新的なITサービスをリリースし続けていく。


ReFa
https://www.refa.net/


はらだのりこ◎結婚・出産を海外駐在時代にNYで経験。出産・育児に関する情報収集にはSMSをフル活用したお陰で、仕事との両立も実現。一方、帰国後の保育園探しに相当苦労し、日本におけるワーキングマザーを取り巻く環境の厳しさを実感。こうした現状をテクノロジーの力で解決する必要があるとAI CROSS 株式会社を創業。ワーキングマザーに限らず、あらゆる人の働き方をスマート化することを目指し事業を推進する。

Promoted by ReFa / interview & text by 前川亜紀 / photographs by 尾藤能暢 / edit by 本間香奈

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