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フェイスブックが、拡張現実(AR)の中で人々が交流できる仮想空間「メタバース」の構築を加速するため、欧州で1万人を新規雇用する方針を明らかにした。本国の米国でなく欧州での大規模な人材採用計画には、社内慣行などをめぐって批判が強まる米国の状況に対する反発という意味合いや、今後の事業展開をにらみ欧州の政策当局者らの心証を良くしたい狙いもありそうだ。

フェイスブックの発表によると、向こう5年間、ドイツやフランス、イタリア、スペイン、ポーランド、オランダ、アイルランドなど欧州連合(EU)内諸国で採用を進める計画だ。

国際渉外担当のニック・クレッグ、中核製品担当のハビエル・オリバン両副社長はブログで、フェイスブックは「次のコンピューティング・プラットフォームの構築に向けた旅の始まり」にあると説明。この新しい事業について「オンラインでの交流はもっと対面での交流に近いものになる。メタバースは、新たな創造の機会や社会的・経済的機会を活用できるようにする可能性を秘めている」と述べている。

注目されるのは、米国に本拠を置くソーシャルメディア・プラットフォームであるフェイスブックが、メタバースの構築に「欧州の人々が最初からかかわる」とした点だろう。

クレッグとオリバンは「欧州のテクノロジー分野はエキサイティングな時期を迎えている。EUは巨大な消費者市場、一流の大学、きわめて重要な、トップレベルの人材をほこり、こうした利点からテック企業が投資するのに非常に魅力的な場所になっている」と評価。世界初のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを開発したドイツ企業や、金融の未来をリードする欧州のネオバンク連合などを引き合いに、「欧州企業はいくつかの分野で最先端を走っている」と持ち上げた。

フェイスブックは欧州全土で高度専門エンジニアを確保していきたい考えで、「適材適所」の採用を進めていくためEU各国政府と協力したい意向も示した。同社は欧州で持続的な成長をめざしており、ブログでは「表現の自由、プライバシー、透明性、インターネットの日常使用にかかわる個人の権利」をリードしている欧州の政策立案者たちと価値観を共有しているとも強調している。

編集=江戸伸禎

フェイスブック

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