ビジネス

2021.10.21

スキャンダル塗れの「ニコラ」が復活の兆し、大型契約を連発

(c)NIKOLA


クリーンエネルギーとしても注目の燃料電池


ニコラのビジネスモデルは、フリート運営者へのトラックの長期リースがベースとなっており、料金には燃料代も含まれる。同社は、主要技術パートナーのボッシュから燃料電池の供給を受ける。ニコラはまた、トラックストップ運営大手の「トラベルセンターズ・オブ・アメリカ(TA)」と水素ステーションネットワークを共同開発する計画を発表している。

燃料電池は、バッテリーのように電気を貯めておくのではなく、水素と酸素の化学反応によって走りながら必要な量の電気を生み出すテクノロジーで、水のみを排出するクリーンなエネルギーとして注目を集めている。ニコラ以外にも、トヨタや日野自動車、現代自動車、ボルボ、ダイムラーなどの多くの企業が水素で駆動する大型トラックを開発している。

テスラが販売を延期したEV(電気自動車)トラック「Semi」は、バッテリーだけで重量が数トンあるが、1日当たり数百マイルを走行する大型トラックには燃料電池の方が適していると、これらの企業は主張している。その理由は、燃料電池の方がパワートレインが軽量で、ディーゼル車と同様の時間で充填が可能だからだという。

「水素トラックは巨大な市場であり、ニコラやHyzonなどのプレーヤーが長期的に大きなシェアを獲得することを目指している」とウェブドッシュのアイブスは述べている。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事