米疾病対策センター(CDC)が10月19日に公表したデータによると、ファイザー製ワクチンは12~18歳の入院を防ぐ効果が93%にのぼるとみられている。成人に比べ、10代の若者たちの接種率が依然として低い水準にとどまる中、この年齢層にとってもワクチンのメリットが大きいとみられることが、改めて示されたことになる。
CDCは感染力が強い変異株のデルタ株が優勢となっていた6月1日~9月30日、16州にある19の小児病院に入院していた12~18歳の患者464人について調査を実施。感染者179人と、その他の病気で入院していた285人のワクチン接種状況を比較した。
感染して入院した子どものうち、97%はワクチン接種を受けていなかった(接種を完了していたのは6人、1回だけ接種を受けていた子どもは、調査対象に含めていない)。
感染によって入院した子どもたちの中で、集中治療室(ICU)での治療が必要になったのは77人、生命維持装置が必要になったのは29人、死亡したのは2人だった。これらの患者はすべて、ワクチンを接種していなかった。
また、感染して入院した患者のおよそ72%には、肥満や糖尿病などの基礎疾患があった。多くはこの時期に特に感染が拡大していた地区に住んでおり、さらに68%が、学校で対面の授業を受けていた。
さらなる調査が必要
ただし、調査を行ったCDCのチームは、今回の調査には限界もあるとして、注意すべきいくつかの点を指摘している。まず、対象期間中は感染力が強まったデルタ株が優勢であったことから、その他の変異株については調査を行っていない。
また、サンプルサイズが非常に小さいため、特定の基礎疾患を持つ患者に対するワクチンの有効性を明確に示せないこと、調査時点で特に多くの感染者が確認されていた南部地域に集中した調査結果であることも挙げている。