コロナ後遺症、ワクチン、ストレスなどが複合的に月経不順に影響

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人々はここ1年半のあいだ、生活のあらゆる面において変化と順応を強いられる日々を送ってきた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、オフィスは閉鎖され、失業率は上昇し、小中高校と大学は自宅学習に切り替わった。その間ずっと、コロナ禍がもたらす現実的な影響をつかむのは難しかった。そんななか、新たな研究で、新型コロナウイルスに起因したストレスが月経周期に思わぬ影響を与えていたことが浮き彫りになった。

米ノースウェスタン大学の研究チームは、パンデミックによるプレッシャーやストレスが月経周期にどう作用したのかを深く探るべく、2020年7月から8月のあいだに月経があった米国在住者200人以上を対象に、生理の状態について調査した。学術誌『Journal of Women’s Health』に2021年9月28日付けで発表されたこの研究では、出血周期と合わせて、出血に何らかの変化があったかどうかが調査された。

その結果、パンデミックが始まった2020年3月以降、月経周期に何らかの変化が生じたと回答した人は54%に上った。その理由をたずねたところ、ここ1年半でいつも以上にストレスを感じた人のほうが月経不順になりやすかったことが判明した。

ノースウェスタン大学のリサーチ・アシスタント・プロフェッサーで、この論文の筆頭・責任著者を務めたニコール・ウォイトウィッチ(Nicole Woitowich)は、科学誌「サイエンス・デイリー」で、こう説明している。「パンデミックが前代未聞の事態であり、それがメンタルヘルスに多大な影響をもたらしたことを踏まえると、こうした研究結果は意外なものではない。それはまた、一般メディアやソーシャルメディアで見かけた多くのエピソードやコメントを裏付けるものだ」

「ストレスが加わると、健康全般やウェルビーイング(心身の幸福と健康)にマイナスの影響が及ぶことはわかっている。しかし、女性や月経がある人々は、ストレスを受けると、通常の月経周期とリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)が乱れる可能性もある」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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