コロナ後遺症、ワクチン、ストレスなどが複合的に月経不順に影響

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パンデミックが月経周期に与えた影響を調査した研究はこれが初めてではない。英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)に対し、新型コロナワクチンの接種後に月経不順になったという報告が3万人以上から寄せられたのを受け、一部の研究者たちからは、ワクチンが月経周期に与えうる影響について、さらに研究を行うべきだという声があがっている。

また、2020年6月に医療メディア「MedPage Today」に掲載された記事では、新型コロナウイルスに感染後、月経不順になったケースなどが紹介されている。

一方で、ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの准教授を務める産婦人科医タラネ・シラジアン(Taraneh Shirazian)は、健康サイト「Everyday Health」で以下のように述べている。「新型コロナウイルス感染症と、月経周期に対するその影響について言えることは、他のウイルス感染と長期にわたるストレスに関して言えることと似通っている。つまり、月経不順となる可能性は高い」

「新型コロナウイルスに感染すると、体にはストレスがかかる。そして、視床下部-下垂体-副腎系(HPA)にはかなり大きなストレスがかかる」。HPAは、ストレスがかかると反応するシステムだ。

ストレスは、心の反応にとどまらず、体全体にも影響を及ぼす。世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症による心理的な影響として、ストレスと不安を挙げている。ストレスを感じて体からコルチゾールが分泌されると、人は闘争・逃走モードに入る。そのせいで通常のホルモンバランスが崩れ、月経不順になるのだ。

ノースウェスタン大学の研究チームは、現在もパンデミック対策が続いているが、人々は健康全般に注意を払う必要があると説明している。

「コロナ禍という状況下では、リプロダクティブヘルスをなおざりにすべきではない。女性の健康の重要な一面を担うリプロダクティブヘルスに配慮できなかったとき、どのような波及効果が起きるのかを、私たちはすでに目にしている」とウォイトウィッチは話している。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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