今年、各分野に精通した専門家や業界オーソリティ、過去受賞者で構成されるアドバイザリーボードと編集部で審査を行い、アクティビスト部門の受賞者として選出されたのが、トラウデン直美だ。
歯に衣着せぬ発言、という目立ち方ではない。テレビや雑誌では、あくまでも自然体で、自身とは離れた世代のビジネスリーダーとSDGsをテーマにわたりあう。柔らかさと芯の強さを併せもった彼女が語った、自身の役割とは。
──同世代のSDGsへの関心は?
10~20代にもかなり浸透していて、SDGsが目指す社会への共感度は高いと感じます。だからこそ、SDGsという言葉が商業的に使われることには嫌悪感があるのではないでしょうか。今後は、「どの会社が本気で取り組んでいるのか」を見極めるリテラシーが、さらに問われるようになると感じています。
コメンテーターとしてテレビなどに出演する機会が多いからか、「若い世代のオピニオンリーダー」と評していただくこともありますが、同世代の人は、私が何かを言わなくても一人ひとり、環境問題や政治への意見をもっている。だからこそ、私は同世代の人と、上の世代の人たちをつなぐような役割を担うことができたらと思っています。自分たちの世代が意識を向けていることをキャッチし、幅広い人に伝えるための情報源でありたいです。
──オフの時間は何をしている?
畑仕事をしています。畑では、「自分が食べているものはどんなものか」ということも学べますが、何よりも「時間をゆっくり使うぜいたく」や「何かに追われない豊かさ」を実感できます。自分がしたいことだけに集中する時間を、ビジネスリーダーの皆さんにも、もってほしいです。
──1億円あったら何に使う?
向いていないかもしれませんが、起業をしてみたいです。以前から、教育系の事業には関心がありました。子どもの可能性は無限だから、小さなころからいろいろなことに触れる機会を提供して、可能性を伸ばすお手伝いをしてみたいです。
──トラウデン直美にとって「成功」とは?
幸せを感じられること。私と私の周りにいる人たちが、幸せに生きられる社会がつくられてほしいです。そのためであれば、言えることは言いたいし、私ができることであれば挑戦したいと思っています。
トラウデン・なおみ◎1999年、京都府生まれ。慶應義塾大学法学部4年生。2013年、13歳で『CanCam』史上最年少専属モデルに。情報・ニュース番組のコメンテーターとしても活躍中。