米国ストレス研究所によれば、米国で働く労働者の83%が仕事関連のストレスに悩まされており、それによる損害額は3000億ドルにも上っている。にもかかわらず、雇用主にワークライフバランスを気にかけてもらっていると感じている従業員は43%にすぎない。
さらに、誰もが強く実感しているように、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってストレスが生じ、さまざまなことが不足し、これまで頼りにされてきたツールや手段の多くが、危機にさらされたり脆弱になったりした。
筆者が個人と組織の両方から見聞きした内容によると、改善すべき重要ポイントは、これから紹介する3つだ。これらに留意して従業員を支えれば、彼らは燃え尽きることなく、充実した気持ちで仕事に取り組めるようになるだろう。
従業員の心身の幸福と健康に配慮した企業文化を構築する
企業文化は、従業員の職場体験と、従業員同士の接し方に大きく影響する。従って、燃え尽きた従業員に代わって新たな人材を採用するというサイクルをひたすら繰り返すのではなく、会社に忠実なメンバーで構成された長続きするチームを育てたいのであれば、次のような質問を自らに問いかけることによって、現状を振り返り、改善、変化、行動の流れを作り出そう。
1. 自分が働く企業の文化にはどんな特徴があるか。業績ばかりに目が行っていないか。従業員は、長時間労働になってでもベストを尽くすことを求められ、そうしなければ罪悪感に苛まれるような環境ではないか。
2. 自社の文化では、感謝と評価がどの程度重視されているか。自分は、公平な立場に立って中身の伴った評価を与え、優れた仕事に対してその価値を認めているか。
3. 人手不足で困っていたり、自分の力の及ばない一時的な問題を抱えたりした従業員がいる場合、彼らを仕事に集中させ、彼らの満足感や仕事への意欲を維持するために、どのような対策を講じているか。