ビジネス

2021.10.19

新興国特化のフィンテック「Tala」が暗号通貨のステラ財団と提携

フィンテック企業「Tala」創業者のシヴァニ・シロヤ(Getty Images)


シロヤは、従来のベンチャーキャピタル主導の資金調達を行わなかった理由について、アップスタートとステラがTalaの技術開発に必要な専門知識を提供してくれることを挙げている。「アップスタートは、データサイエンスの面でも、IPOへの道のりを考える上での運営面でも、ふさわしいパートナー企業と言える」とシロヤは語る。

融資サービス以外にも進出


ステラのCEOのディクソンは、Talaの新興市場での存在感とそのミッションが、ステラが目指す方向性と合致すると語った。「彼らのデジタルウォレットをステラに置けば、当社が提供する高速で手頃な価格の決済ソリューションで、リーチを拡大できる」と彼は述べた。

シロヤは、Talaがすぐに顧客に暗号通貨への投資や取引のサービスを開始するとは考えておらず、バックエンドで暗号技術を使用してTalaのアカウントインフラを改善するという。Talaの顧客はこれまでコンビニエンスストアなどで資金を受け取っていたが、今後は、モバイルで全ての手続きが完了する。また、送金にかかる時間を短縮し、コストも抑えられるという。

「将来的に、顧客はTalaの口座で直接送金を受け取れるようになり、現金を引き出す際の手数料も無料になる。さらに、顧客に利子を提供できるようになる」と、シロヤは語った。

これは野心的な目標ではあるが、ロックダウンの最中に融資額を減少させたTalaが、その金額をパンデミック前の水準に戻しつつある中で、シロヤは自信を深めている。

「当社のクレジット商品は、これまで650万人以上の顧客に利用されている。Talaは今、インフラやサプライチェーン面での強みを活用し、クレジット以外の分野に進出できるユニークなポジションにある」とシロヤは語った。

編集=上田裕資

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