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2021.10.18

「つながる文化」で上顧客を引き付ける方法

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例えば、信頼の文化を構築したい場合、リーダー自らが自分の弱みや透明性を示すところから始めるべきだと、レインは言う。

「まずは、オフィス勤務再開について自分が抱える不安を共有するところから始めよう。例えば、自分の正直な気持ちとして、『対面での会議や、一緒にコーヒーを飲んだり、ランチをしたりすることすらも、違和感があり、なんだか変な気分だ』と口にする」

自分の気持ちをシェアしたら、次はオフィス勤務再開についてどう思うかを、従業員一人一人に尋ねてみよう。リーダーとして透明性を保ち、自分の弱さや不安を共有することで、新たな文化をつくり始めるのだ。リーダーの行動によって、チームメンバーに対して、透明性を保ち自分の弱さを見せてもよい職場なのだということを示せる。これにより、顧客とのやり取りでも同じ環境が生まれる。

「リーダーとして職場で築いた文化は、チームメンバーが顧客との間に構築する文化にも波及する」(レイン)

上顧客を獲得するためには、ポジティブな感情的つながりが重要になる。神経科学分野の研究からは、決断は脳の感情を司る部位で行われることが分かっている。

「人は物を買う時、論理でなく感情で動く。感情は、つながりを構築する。新型コロナウイルスの流行は、こうしたつながりの必要性を高めたように思える。自分の弱さを見せて透明性を持つことで、つながりを強める感情が生まれる。人があなたやその部下を信頼し、つながりを感じれば、そのロジックに基づいて購入したいという気持ちになる。自分の弱さは、相手が最も共感しやすい部分であり、上顧客を引き付ける上で必要な感情的なつながりにつながる」

重要だが見過ごされがちな行動としては、感謝の気持ちを表すこともある。

部下の際立った努力について、シンプルながらも具体的なコメントをして認めることで、相手の親切さや忍耐強さ、エンゲージメントを高め、上顧客を引き付ける姿勢を生むことができる。

「物を買うのであれば、幸せな人から買いたいと思うのは皆同じ」とレインは言う。「幸せが幸せを呼ぶのだ」

編集=遠藤宗生

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