メルセデス人気No.1のCクラスが、「小型Sクラス」として甦る?

バージョンアップした、メルセデス・ベンツ C-Class


とにかく新型Cクラスを発進させると、今までとは違うフィーリングに気づく。

横から見たCクラス

走りだすと、まず電気モーターを積極的に使用しているので、出だしが速いというか、モーターを含むパワーユニットと9速ATとの相性がよく、加速のレスポンスは即座。始動時はEVモードが基本だけど、ハイブリッドモードを選択しても、アクセルペダルをベタ踏みしても、エンジンが始動することはほとんどない。それでも実用上は全く不足を感じないほどに電気モーターはパワフル。ステアリングホイールに付いたパドルで「D+」「D」「D-」の3段階に調整できる回生ブレーキを駆使すれば、EV走行でもけっこう積極的な走りが楽しめる。

ステアリングもとても効く。Sクラス譲りのリア・アクスル・ステアリングを採用しているので、ハンドルを切った時、後輪もピタッとついてくる。最初は、「うお〜、良く曲がる!」と感じるけど、走れば走るほど体がそのシャープさに慣れてくる。しかし、不思議なことに今回、敏感に感じたのは、ハンドルだけではない。実はアクセルもブレーキ・ペダルも、今までのメルセデス流の重い踏み具合ではなく、少し軽めで敏感というセッティングになっているのに驚いた。これもターゲットユーザーが希望している変化なのかなと思ったけど、それも少し慣れが必要だった。

いうまでもなく、Cクラスの静粛性や乗り心地はSクラスのレベルには届かないにしても、その仕上がりは十分以上と言える。外観はSクラスっぽく、内装もSクラス譲りのデザインやフィーチャー満載だった。今回全車にターボ付きでモーター付きだから、加速はセグメント随一と言っても過言ではないだろうし、走りもシャープで乗り心地は良い。本体価格は654万円からということで、ライバルのBMW、アウディとはいい勝負だ。

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら

文=ピーターライオン

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