アップル幹部に聞く iPhoneの「ヘルスケア機能」を強化する理由

アップル ジェフ・ウィリアムズ COO


ヘルスケアアプリに蓄積されるデータを簡単に「共有」できる機能もiOS 15から加わった。相手が同じiOS 15を搭載するiPhoneのユーザーであれば、家族やかかりつけ医師、理学療法士などに自分の健康状態を常時知らせることも可能。ユーザーの健康状態が更新されると共有相手に通知が届く。

アップルがヘルスケア共有の機能を開発した背景を、デサイ氏は次のように説いている。

「ヘルスケア共有は、高齢になる家族の介護と、小さな子どもの育児の両方に追われている“サンドイッチ・ジェネレーション”を支援します。ヘルスケア共有を活用すれば、遠方に住む大切な家族の健康状態を見守ることができます。家族とデータを共有しながら、互いの健康に関わる様々な会話を交わす機会が増えることも大事な新機能の役割であるとアップルは考えます」


家族や友人、かかりつけの医師などプロフェッショナルにユーザーが自身の身体のステータスを共有できる機能も加わる

プライバシー保護を徹底した安心・安全なヘルスケア機能


ウィリアムズ氏は、「今回の新機能を提供するにあたり、アップルのヘルスケアの基本理念に則りユーザーのプライバシーを保護することを徹底重視しています。すべてのデータはユーザーの管理下にあり、どのデータを誰と共有するのかユーザーが細かく決めることができます。データはアップルもその情報にアクセスできないほどセキュアに暗号化された状態で、大切な家族などに共有されます」と述べ、ヘルスケア共有が安心・安全に使えるものであることを強調している。

通信やエンターテインメントのデバイスとして世界中で多くのユーザーに活用されているiPhoneが、健康管理を支援するデバイスとしても大きく変貌を遂げつつある。今後ユーザーはスマートフォンの購入を検討する際にヘルスケア関連の機能も注意深く比べる必要がありそうだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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文=山本敦

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