「米国人の自国民に対する信頼度」が史上最低水準に

Joe Raedle/Getty Images

米国が抱える問題を、民主主義体制の下で判断する米国人たちの力について、米国人自身はどう考えているのだろうか。米国の成人のうち、米国人たちのこうした力を「非常に信頼している」あるいは「かなり信頼している」と答えた人はわずか55%だった。これは、米調査企業ギャラップが2021年10月7日に発表した最新の世論調査結果だ。また、選挙によって選ばれた公職者への信頼度が減少の一途をたどっていることも判明している。

米国の成人を対象に、国民全体に対する信頼度を尋ねるこのギャラップ調査は、1974年に始まった。今回の55%という割合は、開始以来の最低記録であり、2016年の結果をわずかに下回る数字だ。

米国人が自国民の判断力に寄せる信頼度は、1976年に86%と最高に達し、その後は2009年まで70%以上を維持していたが、以降は低下する一方だ。

今回の調査結果ではさらに、公職者か、公職に立候補している政治家を信頼していると回答した成人は、半分以下の44%にとどまり、調査開始以来で最も低かった2016年の42%に近い結果が出たこともわかった。

ギャラップは、政治観に関する調査を毎年実施しており、2021年の調査は、成人1005人を対象に、9月1日から9月17日まで行われた。

「米国民を信頼する」と回答した割合は、どの政党支持者グループでも51%から59%と、さほど違いはなかった。ところが、議員に対する信頼度については、支持する政党によって大きな開きが出ている。調査結果によると、「公職者か、公職に立候補している政治家を信頼する」と回答した割合は、民主党支持者は64%だったのに対し、無党派層の場合は34%、共和党支持者の場合は39%だった。

民主党支持者と共和党支持者のあいだに25ポイントもの差がついたのは初めてだとギャラップは述べている。両党支持者のあいだの差は、2015年まではわずか1ポイントだった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長引くパンデミックや、失敗に終わったアフガニスタンからの米軍撤退など、米国はあまたの問題を抱えている。そんななか、米大統領ジョー・バイデンの仕事ぶりに対する評価はここ数週間、就任以来の最低水準に落ち込んだ。

世論調査会社イプソスが2021年9月半ばに発表した調査結果では、「バイデン大統領の仕事ぶりを支持する」と回答した人は44%だった。10月6日に発表されたクイニピアック大学の最新世論調査でも、バイデンの仕事ぶりを支持すると回答した人は38%にとどまり、不支持は53%だった。

同じクイニピアック大学の調査によると、バイデンの仕事ぶりについて「支持しない」と回答した無党派層は60%となっている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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