同シリーズの主役は、初代スーパーマンであるクラーク・ケントの息子、ジョン・ケントだ。ジョンは父親と同じく、記者と恋愛関係になる。相手のジェイ・ナカムラは、「できる限り多くの人を救おうとして心身ともに燃え尽きた」スーパーマンを支えるうちに、彼との距離を縮めていくのだという。
作者のトム・テイラーは「スーパーマンのシンボルは常に、希望や真実、正義を表してきた。そのシンボルはきょう、それ以上のものになる。きょうからより多くの人が、コミック界最強のスーパーヒーローに自分自身を重ね合わせることができるようになる」と説明した。
I’ve always said everyone needs heroes and everyone deserves to see themselves in their heroes. Today, #Superman, the strongest superhero on the planet, comes out as bisexual. I chatted to @georgegustines at the @nytimes about what’s coming for Jon Kent.https://t.co/rcIYLXl7FB
— Tom Taylor (@TomTaylorMade) October 11, 2021
案の定、この発表は衝撃をもって受け止められ、特に保守層の間には混乱と動揺が広がったようだ。多くの人は、カミングアウトしたのは息子ではなく元祖スーパーマンのクラーク・ケントだと勘違いしていた。
そうした人々の一人であるウェンディー・ロジャーズ上院議員(アリゾナ州選出)からは、間の抜けた反応も飛び出した。同議員はツイッターへの投稿で、クラーク・ケントの妻の名前を持ち出して「スーパーマンが愛しているのはロイス・レインだ」と言おうとしたところ、ロイスのつづりを間違って男性名にし、「スーパーマンが愛しているのはルイス・レインだ」と投稿。図らずも、スーパーマンの同性愛を認めてしまった。
保守系のフォックスニュースでは、あるゲストが最近のスーパーヒーローには異性愛が足りないと主張。「なぜスーパーヒーローを性的存在にするのか」、「私たちが彼らに捕まえてほしいのは悪人であり、性病ではない」とまくしたてた。
異性愛者以外の存在として描くことで「スーパーヒーローが性的存在になる」というのは、奇妙な主張だ。スーパーヒーローの物語は大部分が子ども向けの内容であり、恋愛関係が描かれることも多い。