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(C)vuori

米新興アスレジャーブランド「ヴオリ(Vuori)」は13日、ソフトバンクグループの投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」から4億ドル(約450億円)の出資を受けたと発表した。創業5年の同社の評価額は40億ドル(約4500億円)に達した。

評価額は、2019年にノースウェスト・ベンチャー・パートナーズから4500万ドルを調達した際の約2億ドルから、一気に20倍に膨らんだ。創業者や株主、ノースウェストは巨額の含み益を手にしたとみられる。

ヴオリの財務に関する情報はほとんど開示されていない。ブランドの認知度も明らかにまだ高くないが、これは裏を返せばルルレモンなど同分野の既存ブランドよりも高い成長潜在力があるということでもある。そうしたブランドに比べ、新規出店や認知度向上といった成長の伸びしろがあるからだ。

ルルレモンや、「ノースフェイス」などを傘下にもつVFコーポレーションなどの評価倍率(マルチプル)に基づくと、今回の出資のマルチプルは理にかなったものと言える。ヴオリの経営者と株主側にとって今回のディールは経済的に非常に魅力的なものであり、そうである以上しなくてはならないものだった。実際、そうするのが賢明だっただろう。

では、出資したビジョン・ファンド側はどうか。この投資によって儲けられるだろうか。そのためには、ヴオリがアスレジャー市場で押しも押されもしないリーダーになり、そうした規模の拡大に見合った収益を生み出すことが必要になってくる。ヴオリにはたしかにそうした潜在力があるが、いずれにせよビジョン・ファンドが満足のいくリターンを得られるかはその実現にかかっている。

現在、アパレル分野で大きな注目を集めているのは、ハイキングからオフィス、ディナーまで着替えずに行けるような服、なかでも男性向けのそうした服である。オフィス勤務に戻る人が増えるなか、ヴオリやその他のアスレジャーブランドは今後、職場の環境にも合う製品を投入していくことになりそうだ。

ビジョン・ファンドによるヴオリへの出資は、アスレジャー業界にとっては異例の投資である。ヴオリがはたして40億ドルという評価額に見合った結果を出せるかは、現時点では見通せない。ただ、少なくともビジョン・ファンドが、そうなるものと信じているのは確かだ。

編集=江戸伸禎

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