暗号通貨分野で注目を集めるAlchemy(アルケミー)は、ブロックチェーン技術を身近なものにしようとしている。
「私たちは、適切なタイミングで適切な場所にいれば、ブロックチェーンでも同じことができると考えた」と、Alchemyの共同創業者でCEOのニキル・ヴィスワナサン(Nikil Viswanathan)は10月12日、デトロイトで開催されたフォーブスのアンダー30サミットで話した。
アマゾンのAWSのブロックチェーン版と呼ばれるAlchemyのプラットフォームは、例えばイーサリアムのブロックチェーン上での情報を読み書きを、コードが書けない人々にも可能にする。ヴィスワナサンは、ブロックチェーンの普及が始まった2017年に、Joseph Lauと共同で同社を設立した。サンフランシスコを拠点とする同社の今年の収益は2000万ドルに達する見通しという。
「テクノロジー分野の大きなシフトは、コンピュータ、インターネット、そして今回のブロックチェーンで起こっている」と、ヴィスワナサンは語る。ブロックチェーンが登場したことで、「マシンが価値を交換できるようになった」と彼は説明した。
フォーブスの「次世代の10億ドルのスタートアップ(Next Billion Dollar Startups )」の2021年版に選出されたAlchemyは、暗号通貨やNFT、分散型取引を支えるプラットフォームとして注目されている。同社の評価額は5億500万ドル(約570億円)で、累計9550万ドルを調達している。
27人で構成されるAlchemyのチームは、ジャック・ドーシーのスクエアと同様に、エンジニアのランクづけを行わない組織となっている。
Alchemyの初期の顧客としては、イーサリアムのブロックチェーン上で最初のNFTを開発し、そのうちの1つが750万ドルで販売されたCryptoPunks のチームや、世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaが挙げられる。ヴィスワナサンは、NFTが巨大な成長のポテンシャルを秘めていると語る。
「NFTは、人間の根源的な欲求である所有のためのツールだ。そのため、一時の流行で終わるとは考えられない。アートから始まったNFTが未来に続いていくことは明らかだ」とヴィスワナサンは語った。