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共感力(エンパシー)は、いまやほとんどのリーダーが、ソフトスキルのひとつとして受け入れている。だが、それとは対照的に、まだ誤解されているソフトスキルがある。それは「説得」の力だ。

説得力を威圧的な力になぞらえる人は多いが、それは正しくない。そうした人たちは、説得力のある人を、相手を丸め込んで自分の売る製品やアイデアを買わせる非倫理的な人のように描写する。しかし説得とは、ごまかしの技ではなく、むしろ影響力に関係している。

いまや古典的作品となり、最近改訂された『影響力の正体──説得のカラクリを心理学があばく』(邦訳:SBクリエイティブ)の著者ロバート・B・チャルディーニは、次のように述べている。「説得とはシンプルに、受け入れれば相手の利益となる本当の理由を説明または提供し、自分の望む方向に動いてくれるように頼むことである」

取締役会であれ、クライアントへの売り込みであれ、自分の考えの正しさを主張し、それが重要だと相手を説得する能力があれば、出世したりキャリアを切り拓いたりすることができる。

では、どうすればそれができるのだろうか?

チャルディーニによれば、人間の行動を導く7つの「説得の原理」があり、それを倫理的に正しく使えば、自分の影響力を劇的に高められるのだという。以下では、そのひとつひとつを分析し、あなたの職業人生に応用できる実用的なポイントを紹介していこう。

1. 返礼


私たちは、自分が受け取った何かを、お返しをしなくてはいけないと感じる。

ポイント:頼みごとをする前に、相手に何かを提供しよう。何かを売ろうとするのではなく、価値やサービスを提供するのだ。

2. 好意


自分が好む相手や、自分に好意を寄せてくれる相手には影響を受けやすい。

ポイント:好意を持たれる要素を向上させるには、親切を実践して褒め言葉を口にする一方で、共通点を強調し、同じことの繰り返しやポジティブな関連づけを通じて親近感を高めるといい。

3. 社会的な証明


私たちは、他の人が何を正しいと考えているかを知ることによって、何が正しいかを判断する。これはとくに、自分に迷いがあり、多くの人、とりわけ自分とよく似ていると見なしている人たちがとっている行動を目にしている場合にあてはまる。

ポイント:自分の素晴らしさを、自分でアピールしてはいけない。自分のかわりに、満足しているクライアントや顧客に、あなたのよさを主張してもらおう。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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