米国が「洋上風力発電」に本腰、1000万世帯の電力を賄う計画

Scott Eisen/Getty Images

米政府がクリーンエネルギーの生産拡大を推進する中、連邦政府は、今後4年間で、東海岸、西海岸、メキシコ湾の7つの地域で大規模な風力発電所の建設を進める計画であることを内務省が10月13日に発表した。

内務省は、2025年までに、メキシコ湾、メイン湾、ニューヨーク湾、大西洋中央部、およびカロライナ、北カリフォルニア、オレゴン州の沿岸地域で、風力発電の開発区域を整備することを目指している。

バイデン政権は6月、ニューヨーク湾に洋上風力発電開発区域を開設する計画を発表した。ニューヨーク湾は、ロングアイランドとニュージャージーの間に位置しており、連邦政府は最終的に7000メガワット以上のエネルギーを生み出すことを望んでいる。

バイデン政権は、2030年までに洋上風力発電で30ギガワット(3万メガワット)の電力を供給し、1000万世帯以上の電力を賄い、7800万トンの二酸化炭素排出量を削減するという計画を、数カ月前から進めている。

米国エネルギー省によると、現在の米国における洋上風力発電の発電量は42メガワットで、ロードアイランド州とバージニア州の沖合にある2つの洋上風力発電所が稼働している。

内務省は5月に、マサチューセッツ州の沖合に建設される800メガワットの「ビンヤード風力発電所1号」を承認した。このプロジェクトは、米国初の大規模洋上風力発電プロジェクトとされている。同省はさらに複数の風力発電所を2025年までに承認する予定という。

これまでの洋上風力発電プロジェクトは、漁業団体や土地所有者、環境保護団体などの反対により、難航してきたが、海洋エネルギー管理局は「すべての利害関係者と早期から頻繁な交渉を行うことで衝突を回避する」と述べている。

バイデン大統領は、2035年までに米国の発電所から排出される二酸化炭素をゼロにしたいと考えているが、これは、現状で電力の60%を化石燃料から生み出している米国にとって、かなり野心的な目標だ。米国の発電量に太陽光発電と風力発電が占める割合は現状ではわずか10%強だが、ここ数年で急速に増加している。

編集=上田裕資

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